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成功本ほど本質が書かれていない物もない、その理由は

世の中にこうすれば成功する!という本が多いのは、人間の成功したい心理に基づいています。他人が成功していれば羨ましいと思いますし、成功例ばかりに目が行きます。それでこうすれば成功するというようなテクニックに走りがちです。

世の中に天才というのはいるもので、その人たちはおそらく理屈で考えてはいないはずです。そのため、相手に理屈で伝えることができません。そのため、こういう人に教えてもらったとしても上手く行くはずはありません。受験勉強でもすんなり有名大学に入った人よりは、すんなりいかなかった人の方が教え方が上手かったりします。自分が苦労しているから、なぜできないかがよくわかるからです。

そのため、成功者から話を聞くときは、その人の行動を観察して、成功しているメカニズムやロジックを自分で抽出する必要があります。つまり、成功者から学ぶための観察力や分析力を学びたい人自身が持っていなければなりません。

秘訣がわかっても実際にできるかどうかはまた別問題です。その成功するメカニズムが自分の状況に合致しているかどうかがポイントになってきます。成功に飛びつきたいのは仕方のないことですが、ビジネスに関しては表面だけを見てその成功の一面を模倣するほど危険なことはありません。むしろ他企業の成功を表面的に真似しても、失敗する確率の方がはるかに高いと思われます。

成功している企業の目に見える表面的な事象よりも裏に隠されている事象の方が重要な場合が多いのです。例えば、リクルート社では社内公募制度があり、新規事業をやりたいという社内の人たちが続々と集まってきます。自ら手を上げた人の集団ですから、やる気満々であり、各人が熱心に取り組むことでプロジェクトの成功確率は高まります。

しかしその他の企業で社内公募制度を導入しても、それに参加しようという人の数が集まらないという問題が起こります。それは背後にある企業文化や価値観にあると思います。特にリクルートに入社しようという方は、アグレッシブな方が多く、しかも新しいことにチャレンジする方がカッコいいという社内的な価値観があります。その他の企業ですと、新規事業は主流ではありません、やはり保守的な出世コースに乗って階段を上っていくのが王道という価値観があるのです。また、既存事業と比較して新規事業は失敗する確率の方が高く、その失敗に対する許容度が、各企業によっては異なります。失敗は失敗とみるか、失敗しても、新しいことにチャレンジしたのだから、安定志向の従業員よりも価値があるという価値観が会社になければリスキーな新規事業に手を出そうとは思わないのです。

成功の裏にある目に見えない要因は大きく、企業の価値観や文化、能力、そしてシステムに分かれ、すぐには模倣できないものばかりです。自社に表面的なモノだけを取り入れるとかえって害悪になりかねません。

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