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勝ちに不思議の勝ちあり

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。これは負ける時は負けるべくして負けているという考え方です。元々は江戸時代の大名で剣術の達人であった松浦静山の一文です。つまり「負ける時には何の理由もなく負けるわけではなく、その試合中に必ず何か負ける要素がある。一方勝ったときでも、全てが良いと思って慢心すべきではない。勝った場合でも何か負けにつながったかもしれない要素がある」という意味です。野村元監督さんがよく使ってましたね。

この考え方はまさにビジネスにも通じる考え方です。世の中には、こうすれば成功するというハウツー本があふれていますが、実際は失敗から多くの事を学ぶ方が多いでしょう。野中郁次郎名誉教授が、『失敗の本質』において日本軍の失敗から何が学べるかを論じましたが、なぜ負けたのか、ということを表面的なことで分析していないことが貴重です。組織の在り方や価値観にまで踏み込んで考えています。

ビジネスにおいては、環境に対応するための仕組みやプロセスに問題があるということになります。個々の戦術レベルではなく、環境に対応する仕組みを考えていく視点はビジネスにおいても大いに役に立ちます。

成功企業の要素を取り上げてみますと、結果として成功しているビジネスは、①負けない戦略をとり、②他社に負けない努力をして、③運が良かったこと、この3つが揃っています。これが成功の必要条件ではあるのですが、十分条件とは言えません。つまり、3つが全て揃っても必ず成功する保証はなく、一方で一つでも欠ければほぼ間違いなく失敗するというモノです。全部そろったときに短期的に成功しても、中長期的には失敗すると言えるかと思います。

他社に負けない努力をしても、戦略が間違っていれば成功はできません。しかし戦略や努力が正しかったとしても必ず成功するとは言えないのです。悲しいかな、時の運に左右されます。楠木建教授は、ビジネスの80%は運であると看破しているくらいです。経営者は運はコントロールできませんが、戦略と努力はかなりコントロールできるでしょう。そのため、コントロールできることをしっかりとやって、成功確率を高めていくしかないのです。

ビジネスには成功の保証のない、大変厳しいゲームと言えます。努力しても報われないことが多々あるのです。しかし成功確率を高めるためにひたすら取り組み、努力し、改善していくしかありません。

このようにして成功したときの喜びは非常に大きなものになると言えるでしょう。

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