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ジャストインタイムは従業員の参加意識の高さが肝

欧米ではラインを止めるのはライン長だけの権限であって、作業員全員がラインを止めるボタンを押す権限を持つことは考えられません。しかし、問題を発見するのは、現場の作業員ですから、ライン長が問題に気付いて意思決定するとタイムラグが生じてしまいます。特に最後の完成品にあってから不具合を発見していたのでは効率も悪くなります。そこで次の工程に進む前に、作業員がおかしいと思ったら止めた方が合理的なのです。

しかしこの考え方を成立させるためには、作業員が良い製品を作りたい、自発的におかしいと思ったらラインを止めると思うということですが、世界のほとんどの地域では、作業員は雇われ人ですから、定められた勤務時間に決められた仕事だけをこなして帰るだけです。作業員にとってみれば言われたこと以上をする理由がないのです。ボタンでも押そう者なら、一時的でも損失を生む行為であり、そんなことが一般従業員がやりたがるわけがありません。下手すれば責任問題にもつながりますから。

ですからボタンを仮に設置したとしても、それを実際に機能させるためには作業員自身の意識やモチベーションを変えていかなければなりません。一般従業員に対して、短期的には損をしても中長期的には会社が得をすることを意識付けさせなければならないのです。自分の損得ではなくて、会社の損得です。普通であれば、それは管理職の仕事であって、一般従業員の考える仕事ではありません・

カイゼン活動も同様で、一般従業員が改善サークルに参加して、改善策を提示します。世界のあらゆる地域では、ある仕事をするだけで給料をもらえるのに、それ以上のことをする理由がないし、そうであれば、最初から給料をよこせと言われかねません、今までの日本には、言われたこと以上のことをやるという文化が根付いていたのです。こういう考え方を一般従業員レベルが持たない限り、改善活動は生まれないのです。

在庫をゼロにするときには作業員同士の連携も必要になります。例えば前の工程の人の仕事が早く、後ろの工程の仕事が遅ければ、後工程の人は未処理のモノがたまっていきます海外であれば、前工程の人が遅くすればいい、休憩でもしようと考えますが、トヨタの場合では、自分の後ろで在庫がたまったら、手伝ってあげるような文化があります。早くできる人が遅い人を助けてチームで何とかするという考え方を持っているのです。

ジャストインタイムという方式は、欧米にはありえない価値観が根底にあるのです。また、トヨタの優れたところは、系列内の部品供給業者も似たようなマインドを持っているということなのです。

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