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経営管理手法が会社をダメにする

経営管理手法がかえって会社をダメにしてしまうことがあります。以前、EVA(Economic Value Added:経済的付加価値)という指標がありました。これは単純に言えば、資本コストを超えて投資家にどれだけ利益が配分されたかという付加価値を測定する指標でした。事業やプロジェクトの収益性を判断する上で。他の指標よりも論理的に合理的であると考えられていました。多くの企業でEVA経営として、2000年前後に活用していたケースが多かったのではないでしょうか。

一般的には確かにEVAという指標は合理的なのかもしれませんが、どのような指標にも一長一短があり、それを理解した上で自社に合った経営指標を使うことが大切です。このEVAを用いると、大半は失敗に終わる可能性の高いプロジェクトは中止するという結論になってしまいます。

当然ながら、失敗する可能性の高いプロジェクトを中止すれば、短期的には企業全体の業績はよくなります。しかし常に新しい変わったことに挑戦するような企業は、その先進的な企業ブランドすら失われなくなります。ましてやベンチャー企業でEVAを導入しようものならほとんど否決でしょう(そもそも未上場企業であれば必然的に資本コストが上がらざるを得ません)。

他社がEVAを導入したことで業績が向上したという成功例を見て、自社でも導入しようと考えるのはいいことでもありません。単純に経済合理性や部分最適の合理性ではなくて、もっと大きな枠組みの中でEVAを導入するのが良いのか悪いのかについて捕えていく必要があるでしょう。そのため、ビジネスというモノは数学ではなくアート(芸術)にはるかに近いものです。

例えは古いですが、ブラックベリーが市場に出てきたとき、指の大きいアメリカ人は使いづらいから流行らない。iPhoneについても、キーボードもない、あんなものを使うなんであり得ないから失敗するだろうと当時のマイクロソフトのCEOが考えていたそうですが、その結果は皆さんのご存知の通りです。いずれも顧客に受け入れられて大ヒットしたわけです。大成功した人も必ずしも次の大成功が読めないのです。

本当に何がいいのか悪いのかは理屈でわかるものではないのです。どうなるかわからないというアートの要素があるからこそ、ビジネスは面白いものだと言えるでしょう。

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