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異質化を求めれば先進性に代わる

ビジネスは、同質化と異質化の中で本質的に失敗する構造となっており、その中で例外的に成功する出口を探すことがポイントになってきます。

ソニーという会社は、異質化を目指しながら成功してきた企業と言えるでしょう。ソニーには常に何か新しいものに取り組んでいるというイメージがあります。今でも世界中に熱烈なファンが多いのではないでしょうか。ソニーの製品には、革新的、先進的というブランドイメージがあり、他社製品より多少高くても買ってしまう魔力があります。ソニーの製品を買いたいというよりは、ソニーの製品に囲まれて過ごしたいという感覚に近いのかもしれません。

このようなイメージはソニーの前身である東京通信工業が、既存の真空管ラジオに対して、小型・携帯可能なトランジスタラジオを発売したころから始まり、トリニトロンという技術を用いた新しい形式のテレビや、携帯音楽プレーヤーであるウォークマンのように、常に革新的な試みを続けてきたからです。世界初の家電を作り続けてきました。

これはまさに、異質化、つまり他社と異なることをやり続けてきたわけです。これだけ新しいことをやり続けていれば、中には失敗も出てきます。例えば、ビデオテープのベータを画質の高さを訴求して売り出したものの、規格競争に敗北。ミニディスクもいつの間にかに消え、小型メモリーカードのメモリースティックも対抗馬のSDメモリーカードに負け、数多くの失敗もしてきました。新しいことは慣れないこと、それゆえ失敗するという異質化のジレンマそのままでした。

通常であれば、リスクの高いことに挑戦すれば、投資を回収できずに終わってしまうので、投資をするなとなるでしょうが、統計的に失敗するとしても、それをやり続けることで、他の家電メーカーがやらないことを試みる、常に時代の一歩先を行くという風に、ソニーブランドを構築し、世界的に熱烈なファンを維持したわけです。

当時は家電メーカーの収益源はテレビであり、販売台数や販売単価からも、テレビは他の家電製品を凌駕する家電メーカーの収益源でした。高いブランドイメージを背景にソニーのテレビは自社の収益に大きく貢献していました。その結果、例え革新的な冒険をしてプロジェクトが失敗したとしても、全体的にはきちんと収益を上げることができたのです。

このように、ソニーは新しいことに挑戦し続けることで必然的に生じる多くの失敗を大黒柱のテレビからの収益でカバーし、異質化による失敗からの出口を探し出したと言えます。

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