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租税条約について

日本では約120か国の国と租税条約を締結しており、概ね日本が進出し、外国企業の経営権を有している投資金額でみれば90%以上を占めていると言われています。日本にとって、「台湾」が租税条約を締結できないのは、残念でなりません(台湾は国連に加盟してませんしね)。

 

租税条約の目的は次の通りです。

  • 所得の種類ごとに源泉遅刻の課税権の範囲を規定
  • 租税の内外無差別を担保し、国際間の資本移動、経済活動、人的交流を促進
  • 適切な課税を行うために、相互協議、情報交換。徴収扶助等の税務当局間の協力を規定

 

租税条約は二国間で締結されますが、各国が勝手に規定を設けると国によって条約が異なり、少なくとも条約のときにパワーバランスで、強国に有利な条約を締結しかねません。企業にとっての経済活動に悪影響も出ます。そこで国際機関による租税条約のモデルがあります。

 

項目 OECDモデル 国際連合モデル
想定される締約国 先進国間 先進国と発展途上国
特徴 国際的な資本等の交流促進 途上国に手厚く、国際的な資本交流を阻害するとの批判あり。

 

日本では国内税法よりも租税条約を優先して適用することが憲法により規定されています。

 

日本国憲法第98条第2項

「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」

 

日本の所得税法の規定で源泉所得税を20%徴収すると規定していても、租税条約に10%との規定がある場合は、そちらを遵守します。例を挙げると、中国の法人が利子を受領する場合に、所得税法(231①三)では源泉所得税を15%徴収しなければならないとしていますが、日中租税条約第11条2項で10%となっています。このとき租税条約上の10%が優先します。

 

考え方としては、日本で所得が発生する場合、外国法人の所在地国と租税条約があれば、租税条約を適用し、なければ国内税法を優先して課税することになります。仮に、その規定が抽象的で、具体的な適用方法が不明な場合を想定し、「租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律」(以下、実施特例法)を定めています。

 

日中租税条約第11条2項は次のように定めます。

「利子に対しては、当該利子が生じた締約国においても、当該締約国の法令に従って租税を貸すことができる。その租税の額は、当該利子の受益者が他方の締約国の居住者である場合には、当該利子の額の10パーセントを超えないものとする」としていますが、「超えないもの」とすると、10%でなく、9%でもいいのか、となってしまいます。そこで、実施特例法2条3号では、租税条約上の限度税率が10%の場合には、10%で課税すると明確に定めています。

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