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子会社売却(株式譲渡方式)1

海外子会社株式を売却する場合、日本における課税の他、海外子会社の所在地国でも課税されます。現地での課税関係については、それぞれ現地の国内法によります。当然現地の専門家への確認が必須ですが、日本側で検討をするにあたっては次のような流れで行うことになるでしょう。

  • 租税条約の規定で、海外子会社の所在地国における譲渡益課税はどうか
  • 海外子会社の所在地国において株式のキャピタルゲインを非課税としているか
  • 海外子会社の所在地国の国内法の規定を確認

 

まずは租税条約を検討することになりますが、次の2つに大まかに分類できます。

  • 租税条約で譲渡益課税が免除されている国
  • 租税条約で一定の場合に譲渡益課税が免除されている国
  • 租税条約により譲渡益課税が免除されていない国

 

上記(a)には、インドネシアがあります。日印租税条約の13条を見ますと、インドネシア子会社の株式の譲渡から生ずる収益に対しては、譲渡者が居住者とされる締約国において租税を課すことができるとしています。つまり、インドネシアには課税権がなく、日本が課税権を有するということになります。

 

上記(b)には、ベトナムがあります。日越租税条約の第13条によりますと、ベトナムでの課税権は排除されておりません。つまりベトナムの投資先が子会社であることを前提としますと、通常25%以上を保有しているでしょうから、それを5%以上売却すると、別たむに譲渡益課税が認められることになります。

 

上記(c)には、中国やインド、マレーシア、タイなどがあります。こちらは租税条約で海外子会社所在地国の譲渡益課税が全く排除されておりません。但し、租税条約で課税権が認められていたとしても実際に譲渡益課税が行われるとは限りません。例えばマレーシアではキャピタルゲインは非課税となっていますから、実際には課税が行われないことになります。

 

アジア主要国における日本との租税条約の譲渡益課税

日本との租税条約上の取り扱い
香港 現地での譲渡益課税は排除されている。
インドネシア
フィリピン
韓国 一定の要件を充足すれば、現地での譲渡益課税は排除される。
シンガポール
ベトナム
中国 現地での譲渡益課税は排除されていない。
インド
マレーシア
タイ
台湾 租税条約がない

 

 

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