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合弁会社の税務

単独で海外に新会社を設立するほか、他社との合弁会社とする場合もあります。外資規制から、こういうケースは少なくありません。海外の現地企業と共に合弁会社とするときに、海外の現地企業は資産を現物出資し、日本の企業はお金を出すケースがありますが、この場合、現物出資の資産の金額の妥当性については、デューデリジェンスに必要があるでしょう。また、合弁会社にはその良さがありながらも、設立後の運営に問題がある場合があります。さらに撤退手続きは特に煩雑になるため、合弁会社を設立するときに事前に損失補填の方法や優先買取権等を協議したうえで契約に反映しておいた方が無難です。契約をまいていたとしても、サッカー以上のアウェイな国もありますから、裁判所まで現地企業の味方という、その辺は気を付けるしかない、としか言いようがありません。

 

合弁企業を設立する場合には、金銭出資であれば、日本での課税関係に特に問題はないでしょう。

 

むしろ注意すべきは、出資比率が50:50の場合、移転価格税制(国外関連者との取引を通じた恣意的な所得の移転を防止することを目的とした税制)の対象になります。本税制でいうところの「国外関連者」は「内国法人が発行済株式総数の50%以上を直接または間接に保有する外国法人」も含まれ、「超」ではなく、「以上」なので、50:50の合弁会社もこの定義に含まれます。

 

同社の事業が好調で利益率が過度になっている場合でも、パートナーとの関係で取引価格を変更して所得配分を変更するのは難しいです。持分が半分の場合、日本企業の言い分が通り切らない場合が多いため、適正水準のロイヤルティを回収出来ない状態になり、移転価格税制上問題になることがあります。税制でそうなっているといっても通じない相手との合弁は避けたいところです。

 

合弁会社が香港やシンガポールなどの軽課税国にある場合、タックスヘイブン対策税制が適用になる可能性があります。こちらは移転価格税制と異なり、居住者及び内国法人等が有する直接及び間接の株式等の保有割合が50%超である場合の外国法人としているため、合弁の割合が50:50であれば、適用対象外になります。それは自社の持ち分だけでは50%超ではないためです。しかしながら、パートナーである現地企業の株主に、日本人あるいは日本企業がいる場合には、日本資本の持ち分が50%を超える場合が出てきてしまいます。特に、パートナー企業が上場企業であった場合には注意が必要でしょう。その点は、パートナーである現地企業のアニュアル・レポート等で確認、あるいは直接に株主構成を確認しておかなければなりません。これは例えば、自社の持ち分が49%であったとしても、間接的に日本人等が保有していないとも限らないので調査が必要となります。

 

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