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移転価格税制の概要

移転価格税制とは、日本企業とその国外関連者(海外子会社等)との取引について、取引価格を独立企業間価格(いわゆる無関係の第三者と取引したときの価格)で計算して課税所得を計算するものです。

 

例えば日本企業に1億円の利益が出たとします。海外子会社に利益を移し替えるために、1億円でコンサルティングを海外子会社から購入します(コンサルティングフィーを支払います)。どんなコンサルを行ったかにもよりますが、課税を回避しようとしたとしか思われません。このときにコンサルティングを独立した第三者に支払った場合、いくらが妥当か(独立企業間価格)を算定する必要が出てくるのです。この制度は、国外関連者との取引を通じた恣意的な所得移転を防止することを目的としています。

 

移転価格税制には「機能」と「リスク」という表現が使われます。これは日本の親会社と海外子会社が果たしている機能や負担するリスクに応じて、利益が決まると考えます。より多くの機能を果たし、より多くのリスクを追えば、リスクを負担する側の利益水準がタカ買うて当然と考えるのです。

 

アジア所得は日本と比べると低課税の国が多くなっています。さらに投資促進のために優遇税制を適用しており、低税率国への所得移転が大きなタックスメリットがあります。海外子会社配当益金不算入制度により、低税率の国で稼得した利益を大きな税負担なしに日本の親会社に還流されることを可能とします。

 

なお、適用対象となる国外関連者は次の通りです。

 

【形式基準】

  • 親子関係

法人と外国法人のいずれか一方が他方の発行済株式総数の50%以上を直接または間接に保有すること

  • 兄弟関係等

法人と外国法人が同一の者のよってそれぞれその発行済株式総数の50%以上を直接または間接に保有される場合における法人とその外国法人との関係。

※一般的に海外子会社や、50:50の合弁会社は国外関連者になる。

 

【実質基準】

法人とその国外関連者のいずれか一方が他方の事業の法人の全部又は一部につき実質的に決定できる関係であり具体的には以下のような状況になる。

  • 役員派遣

子会社の役員の2分の1以上又は代表する権限を有する役員が、親会社の役員もしくは使用人を兼務している者。

  • 業者依存

子会社がその事業活動の相当部分を親会社との取引に依存して行っている。

  • 資金依存

子会社がその事業活動に必要とされる資金の相当部分を親会社からの借入により、または親会社の保証を受け入れて調達している。

 

上記はあくまでも日本の移転価格税制が適用される国外関連者の定義であり、アジア諸国では国によって国外関連者の定義が異なるため、注意が必要になります。

 

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