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組織再編概要

海外でも事業再編を行うことはあるでしょう。事業再編には主に次の種類があります。

 

類型 内容
組織再編 同一国に複数の子会社を保有する場合に子会社同士を合併
事業再生 業績不振の子会社を整理して、同一国に子会社を新設
統括会社 複数国に子会社を有している場合、地域統括会社を設立

 

さて、組織再編についての概要を見ていきましょう。まず検討すべきは、法的にどのような再編形態を取れるかになります。日本のように会社分割という制度がない場合には、事業の全部譲渡と清算という形を取ることになります。例え同じ合併でも、それぞれの国で制度内容が異なる場合があるので、注意が必要です。

 

海外子会社の再編を行うにあたり、現地での課税関係と日本での課税関係は分けて考えることになります。仮に現地で適格合併のような課税を伴わない再編ができたとしても、再度日本の税法に則って当該再編の適格性を判定する必要があります。すなわち、現地で適格合併であったとしても、日本では日適格合併になり、みなし配当や譲渡益課税が生じるかもしれません。

 

海外での組織再編の税務上の取り扱いは、国によって大きく異なります。シンガポールや香港では、キャピタルゲインが非課税となり、追加の課税は発生しないこともありますが、基本的には、以下のような取り扱いが多いと考えられます。

  • 組織再編取引は原則として課税
  • 一定の要件を充足する場合には課税の繰り延べ
  • 一定の要件を充足する場合には、合併法人は被合併法人の繰越欠損金を引き継げる

 

以下では中国、韓国、インド、タイにおける組織再編上の注意点を見ておきましょう。

 

(中国)

中国子会社同士の合併は、被合併法人側が資産等を時価で譲渡したものとみなす「一般税務処理」が基本。下記の一定の要件を満たす場合には被合併法人側が資産等を税務簿価で譲渡したものとみなす「特別税務処理」が認められます。要件は次の通りです。

  • 再編取引に合理的な事業目的があり、税負担の軽減等を主な目的としていないこと
  • 再編後の連続する12か月間に再編資産に係る実質的な経営活動が変化しないこと
  • 持分による支払額が支払総額の85%以上であること
  • 再編後の連続する12か月間に、当初の主要な出資者が取得した持分を譲渡しないこと

 

ここで注意が必要なことは、(a)の合理的な事業目的の実態判断が難しいという点です。また、繰越欠損金についても、一部しか合併法人に引き継げません。

 

(韓国)

一定の要件を充足する場合には、課税繰り延べや合併法人の繰越欠損金の引継ぎが可能です。ここでの繰越欠損金については、合併法人と被合併不尾人のそれぞれの繰越欠損金は、それぞれの事情から生じた所得としか相殺できないという制限があります。

 

(インド)

インドでは合併の要件が決まっています。

  • 被合併法人が合併直前に有するすべての資産や負債が合併法人に引き継がれる。
  • 被合併法人の株式75%以上を有する株主が合併法人の株主になる。

 

上記の合併に該当すれば、キャピタルゲイン課税は行われず、簿価で引継ぎが可能です。

 

(タイ)

タイには新設合併だけであり、吸収合併の概念はありません。そして移転資産に含み益があっても課税が繰り延べられます。また、繰越欠損金を有していても、引継ぎができません。

 

 

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