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海外の無形資産取引における税務~使用料~

海外子会社の使用料は、独立企業間価格であれば、損金算入が認められます。取引単位営業利益率法で考えますと、海外子会社の営業利益率が比較対象会社と比較して高すぎれば、日本の税務当局に使用料の低さを問題視され、低すぎれば海外現地の税務当局に使用料の高さを問題視されます。サーカスの綱渡りのように、綱の上を歩っている分には落ちませんが、少しでもずれたら落下するという感じですね。

 

無形資産の使用実態については、外部からは確認しづらいものです。そのため、税務調査においては、使用料の水準やその基礎となる無形資産について、文書化したうえで十分な根拠を示さなくてはなりません。親子の間柄と言っても、その辺は契約書などで数値を明確にするだけでなく、使用料の計算根拠も添付しておくべきです。

 

海外の税務当局が使用料の損金性を否定してくる可能性は次のようなものがあげられます。

  • 使用料支払の対象である製造技術自体に価値がない
  • 使用料支払の対象である製造技術が超過利益を生んでいない
  • そもそも無形資産による経済的利益を現地子会社が享受していない

 

上記の(a)については、海外子会社に類似の技術が供与されたことがあり、既に新規性がない、(b)や(c)については、海外子会社が赤字であったときに指摘を受けやすいです。(a)については、提供する技術について、以前の類似技術とどう異なるかを明確に説明できるか、(b)(c)についてはなぜ超過利益を生む技術なのかをきちんと説明できるかがポイントになります。赤字だから超過利益がないとは言えません。使用料は何かと説明しずらいということであれば、原材料や製品取引と絡めてその取引価格に使用料見合いを反映させ、使用料では回収しないという考え方もあると思います。

 

各国の使用料源泉税率

税率 注意点
中国 10.0%
香港 4.95% ロイヤルティの30%が居住者のみなし所得として扱われ、税率16.5%を乗じた4.95%をみなし税額として納付する。
インド 10.0%
インドネシア 10.0%
韓国 10.0%
マレーシア 10.0%
フィリピン 10.0% 映画フィルムの使用等に対する支払いは15.0%。
シンガポール 10.0%
台湾 20.0% 新技術導入等の一定の要件を充足し、政府機関の認可を受けたものは免税
タイ 15.0%
ベトナム 10.0%

 

 

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