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中国には貸し手方(金融機関側)の規制があります

中国には借り手(現地法人)の方だけでなく、貸し手(金融機関)にも規制があります。全体的な融資総量規制としては、中国人民銀行及び銀行業管理監督委員会の窓口指導が大きいですが、このような制度に関しては、日本でも程度の問題ではありますが、それほど珍しいものでもありません。

 

次に預貸率の規制があります。中国で、現地資本の銀行は貸出残高を預金残高の75%以下に抑えることが義務付けられており、外資系金融機関現地法人については、当面その基準を努力目標とはしているものの、外資系金融機関にとってはその基準を達成するには高いハードルが存在します。そのため、預金残高を75%以下の基準に達成するために貸し出しを抑えざるを得ない状況になっています。このため、邦銀が日本からの現地法人へ融資する足かせにもなっています。この預貸率規制は変更が行われるため、フォローアップが必要になります。

 

さらに外貨規制があります。中国の外貨管理は国家外貨管理局が管轄し責任を持っています。外貨取扱額におきましては各金融機関に対して個別に枠が設けられており、日本からの円やアメリカドルを人民元に換金する量については規制がかかっています。特に短期での外貨資金の枠は毎年縮小傾向にありまして、外貨での短期貸し出しは近年難しくなってきています。つまり、邦銀が円貸しを行うための元手は、日本の本部から調達することになりますが、これに限度額があるのです。中長期外貨枠はそれほど縮小していないのですが、金融機関側は、少ない枠を優先的に得意先(大口取引先)に振り分けて融資しております。つまり小さくて、実績が乏しい会社は、邦銀も喜んでは貸せない状況にあるのです。邦銀側の問題というよりもむしろ中国側の制度が足かせになっているといえるでしょう。

 

以上のように、中国では借り手だけでなく、貸し手も大きなハンデを背負っているといえます。巨大なマーケットによだれを垂らして、中国マーケットに参入したはいいけれど、何重もの足かせで、体力の乏しい会社は結局撤退している例も少なくありません。

 

ただ、このハンデを言うハードルを越えて、なおそこに巨大なマーケットという魅力が中国にあることも確かです。

 

以上をまとめますと、中国では直接金融のマーケットが未成熟であり、現地日系中小企業の資金調達は現在、金融機関からの貸し出しに頼らざるを得ない一方で、総量規制で貸し出し制限をされ、預貸率も実質的には外資金融機関にも適用され、日経金融機関自体がその預貸率の基準をクリアするのにあくせくしている状況です。そのため、実際は邦銀が貸し出しにくい環境にあり、当然のことながら中小企業の資金調達環境は厳しくなっています。そのため本国から必要に応じて資金を調達することになるのですが、こちらも投注差の規制があり困難となります。中長期的に中国地場の金融機関からの借入なくして、成長は難しく、そのための手段として、スタンドバイ・クレジットの活用が必要となってくるのです。当然、現地での実績が蓄積されてくれば、自らの信用力だけでも借りられるようになります。それには時間がかかります。

 

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