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駐在員事務所

海外へ進出する場合、進出する形態によって、それぞれ制約があります。形態別の相違点は次のようになります。

 

駐在員事務所 支店 子会社
営業活動 不可
税務申告 不要
現地での取り扱い 外国法人 外国法人 内国法人

 

今回は駐在員事務所(representative office)を取り上げてみましょう。駐在員事務所は主に現地の市場調査等の情報収集を行う拠点です。ここで、市場についての詳細な情報、現地の外貨規制や法規制の詳細、現地労働者の質、工場用地や周辺の物流など、今後本格的な進出にあたって必要とされる様々な情報を収集することになります。従いまして、営業活動を行ってはなりません。

 

通常、駐在員事務所は納税義務は負いませんが、それは前述した恒久的施設(PE)に該当しなければ、です。納税義務は負わないものの、年次報告書の提出等を義務付けている国もあります(タイ等)。また、駐在員事務所でも、PE制を認めて、申告や納税義務を課す国もあります(中国等)。

 

租税条約でPEに当たるかを、判断しなければなりませんが、PEの範囲を広く解釈する傾向にあります。そのため、要件に合致していても、PEにされてしまうケースもあります。少しでも営業活動に近い行動は慎むべきでしょう。例えば、駐在員事務所が売買契約条件などの交渉を行っている場合にはPE認定を受ける可能性が高まります。あと条約ではなく、現地の国内法でPE認定をしてくる可能性もあります。

 

日本企業が海外事務所にPE認定された場合、現地での税務申告が必要になります。これは追加コストが発生してしまいます。

 

中国でPE認定をされた場合、かりに会計帳簿を付けていれば、通常の課税所得計算を行うことができますが、そうでない場合には推定課税方式で課税所得を査定することになります。

 

収入額(推定)=経費支出額/(1-みなし利益率(15%以上)-営業税率5%)

企業所得税額=収入額(推定)×みなし利益率(15%以上)×企業所得税率(25%)

営業税額=収入額(推定)×営業税率(5%)

 

駐在員事務所が課税の対象となった場合には、租税条約の規定に適合するものであれば、外国税額控除の対象となりますが、営業税は流通税ですので、外国税額控除の対象とはなりません。但し、法人税の課税所得の計算上、損金の額には含まれます。

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