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移転価格税制における文書化

移転価格税制の対応として、日本では税務調査の際に提出あるいは提示すべき書類が明確化されています。

 

  • 国外関連取引の内容を記載した書類
  • 国外関連取引に係る資産の明細及び役務の提供
  • 法人及び国外関連者が果たす機能及び負担するリスク
  • 法人及び国外関連者が使用した無形資産
  • 国外関連取引に係る契約書
  • 対価の額の設定方法及び交渉内容
  • 国外関連取引に係る損益の明細
  • 国外関連取引に関連する市場分析
  • 法人及び国外関連者の事業方針
  • 国外関連取引と密接に関連する他の取引

 

<作成にあたってのポイント>

「国外関連取引の内容を記載した書類」については、端的には、取引価格の交渉や決定にあたって、参考になる書類を列挙したものです。実際の文書作成に当たっては、特に「法人を呼び国外関連者がはたす機能及び負担するリスク」や「国外関連取引に関連する市場分析」等は、それらの要因が法人及び国外関連者の利益(特に営業利益)に与える影響を意識して記載する必要があります。

 

  • 国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するための書類
  • 独立企業間価格の算定方法及びその選定の理由
  • 国外関連取引に係る比較対象取引及びその明細
  • 利益分割法を採用した場合の法人及び国外関連者への帰属金額
  • 複数の国外関連取引を一の取引として独立企業間価格算定を行った場合の理由他
  • 比較対象取引等について差異調整を行った場合の理由及び差異調整方法

 

<作成にあたってのポイント>

「国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するための書類」については、(1)の「国外関連取引の内容を記載した書類」の合理性を分析によって裏付ける位置づけです。従いまして、この部分の記載は「国外関連取引の内容を記載した書類」における事実を基礎にしている必要があります。取引の内容をもとにして、独立企業間価格の算定方法の選定が行われ、比較対象取引が抽出されるという流れになります。

 

全ての国外関連取引について文書化を行うことは現実的ではありません。通常は取引の金額的重要性や移転価格課税リスクの観点から優先順位をつけて対応します。

 

移転価格調査では、独立企業間価格を算定するにあたり、必要な書類の提示や提出がない場合、必要とされる範囲で、当該法人の当該国外関連取引に係る事業と同種の事業を営む者に質問をして、当該事業に関する帳簿書類を検査し、推定課税ができることになっています(措法66の4⑥⑧)。そのため、自社に不利にならないためにも移転価格文書の作成は非常に重要です。

 

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