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外国税額控除概論3

控除限度超過額及び控除余裕額の繰り越し

控除対象外国法人税額が控除限度額を上回るときの超過額、また逆に控除対象外国法人税額が控除限度額を下回るときのその余裕額は、将来3年にわたって繰り越しができます。

 

但し、直接納付した外国法人税について、外国税額控除ではなく損金算入を選択しますと、その時点まで繰り越してきた控除限度超過額や控除余裕額は消滅しますので慎重に検討しましょう(法令144条2項及び145条2項)。

 

直接納付外国法人税の損金算入

外国法人税額は、損金算入を選択することもできます。損金算入は所得をマイナスし、税額控除は税額からマイナスするため、一般には税額控除の方が有利ですが、外国控除限度超過額の繰越期間は3年のため、9年の繰越期間が認められる繰越欠損金の形にしておくという選択もあり得ます。

 

みなし外国税額控除

みなし外国税額控除(Tax Sparing Credit)は、発展途上国への投資を促進するために、実際には海外で払っていない税金を海外で納税したとして日本の税金から控除するものです。日本企業からしてみれば、その国へ進出する際のメリットになります。みなし外国税額控除は、投資先の開発途上国が自国の経済発展のため一定の要件を備えた外国からの投資について税制上の優遇措置を設けており、かつ、源泉地国と居住地国との間にみなし外国税額控除の規定を有する租税条約が締結されている場合に適用されます。

 

近年では、有害な租税競争を抑止し、税の公平性を確保する観点からみなし外国税額控除が適用される国が減少しています。

 

2018年7月1日現在、日本との間の租税条約において有効なみなし外国税額控除の規定がある国は、ザンビア、スリランカ、タイ、中国、バングラデシュ、フィリピン(2018年末で終了)、ブラジルの7カ国です。

 

外国税額控除を適用する場面

海外進出に当たり、外国税額控除の適用を検討する場面は非常に多くなっています。進出時点であれば、支店として現地で納税した場合、事業活動段階ではタックスヘイブン対策税制、ロイヤルティについて源泉課税された場合、さらに利益韓流段階においては利息で源泉徴収された場合、事業撤退段階では子会社売却時の譲渡益課税された場合など、外国税額控除の適用を検討することになるでしょう。

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