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外国税額控除概論2

控除限度額の計算方法

控除対象外国法人税額は、外国税額控除の「控除限度額」を限度として、日本の法人税額及び住民税額から控除されます。単純化すると以下のような式になります。

 

控除限度額=各事業年度の所得に対する法人税額×国外所得金額/全世界所得金額

 

要するに、日本での納税のうち、国内源泉所得に対応する部分を計算し、二重課税を排除しています。

 

なお、地方税における取り扱いについて、住民税の控除限度額は、法人税の控除限度額に住民税率をかけて計算しますので、控除限度額は、各事業年度の所得に対する法人税及び住民額に国外所得割合いをかけたものとなります。ここで事業税については外国税額控除は存在しません。

 

なお、控除限度額のポイントは次のようになります。

 

控除限度額      
法人税額 × 国外所得金額 全世界所得金額
控除限度額は法人税に連動し、大きくなるほど控除限度額も増えます。

なお、支払税額が発生しなければ控除限度額は発生しません。

  控除限度額は国外所得の全世界所得に占める割合に連動し、国外所得の割合が大きければ控除限度額も大きくなります。

国外所得がマイナスになれば、控除限度額は発生しません。

   

 

国外所得金額の計算方法

国外所得金額は

(a)当該事業年度において生じた国外源泉所得をベースにして販管費や負債利子等に係る調整を加え、

(b)外国法人税が課されない国外源泉所得が含まれている場合にはその一部を除外し、

(c)全世界所得から計算された一定の制約を加味して、計算します。

 

国外源泉所得

国外源泉所得は国内源泉所得以外の所得と定義づけられますが一般に次のようなものです。

  • 配当:海外子会社等からの配当
  • 利子:海外子会社等への貸付金に対する利子
  • 使用料:海外子会社から受領するロイヤルティ

【控除限度額から見た外国税額控除制度】

国外源泉所得(収入) 国外源泉所得の内訳
収入金額に直接関連する原価 共通費用の配賦  
  国内源泉所得(所得) 国内源泉所得
外国法人税が課される国外源泉所得 非課税の国外源泉所得  
国外所得金額  
控除限度額  
控除対象外国法人税額  
外国税額控除 控除余裕額  

 

共通費用の配賦

国外所得を計算する場合、利子やロイヤルティ等の収入金額のうち、対応する費用を調整します。

 

非課税の国外所得の取り扱い

国外所得金額の計算において、外国法人税が課されない国外源泉所得については、別途調整が必要です。例えば、現地国内法や租税条約で源泉税を課されていない配当・利子・ロイヤルティ等(みなし納付外国法人税の額なある場合を除く)などがあります(法令142条5項)

 

国外所得金額に係る制約

国外所得金額は全世界所得の90%を上限とします(法令142条3項)とあります。つまり、全世界所得のうちの10%は最低でも日本で納税しなければなりません。そのため、国内所得金額が小さい、あるいは赤字の場合には影響があります。

 

例をあげると次の通りです。全世界所得金額800が国外所得金額1,200と国内所得金額▲400で当た場合、国外所得金額の上限は720が上限となり、当初計算された1,200よりも小さいものになります。

 

 

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