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移転価格税制が適用される場面

国外関連取引とは、日本の親会社と海外関連者との間での資産販売、資産購入、役務の提供その他の取引となっています。基本的には配当以外のほとんどの取引が適用対象と言って良いでしょう。金銭消費貸借による借入利息ですらも、移転価格税制が適用されます。例をあげると次のようになります。

 

  • 棚卸資産取引
  • 固定資産売買取引
  • 有形固定資産貸借取引
  • 役務提供取引
  • 無形資産取引
  • 費用分担契約
  • 貸付・借入取引
  • 国外関連者寄付金

 

海外子会社との取引について、その対価が適正ではないとき、通常の移転価格税制が適用されるだけでなく、国外関連者寄付金として全額が損金不算入となる場合があります。一般寄付金では一部損金算入できますが、国外関連者寄付金は全額が損金不算入となりますから、できる限り回避しなければなりません。

 

国税庁の移転価格事務運営要領の参考事例集(事例25)によると、日本の親会社が海外製造子会社に対する役務提供の対価を回収していない場合、「役務提供の対価を収受するための契約を取り交わしたが日本の親会社が海外子会社を財政的に支援するために、両者合意で当該対価を収受しない」ときには、国外関連者棚卸資産寄付金になると指摘していますが、「これらの業務を行うことが海外子会社に対する日本の親会社としての責務であるため、役務提供取引に係る契約を締結しない」場合は、国外関連者寄付金の規定を受けず、移転価格税制に基づく課税の対象として検討するとしています。

 

この事例が示す通り、移転価格税制の問題化、国外関連者寄付金の問題になるかは非常にあいまいです。唯一いえることは、日本親会社が海外子会社への役務の提供としてその対価を十分に回収していない状況では国外関連者寄付金の対象となると思われますので、特に海外子会社が事業上軌道に乗っていないという理由で、対価を免除している場合には注意が必要と言えるでしょう。

 

移転価格税制への対応としては、移転価格課税を最小限にとどめるための文書化や事前確認の取得があります。また、実際に移転価格課税が行われたとき、通常の国内法による救済手段の他、相互協議に要る対応的調整という二重課税の排除手段があります。

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