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移転価格税制の海外子会社での検討

移転価格の問題は、多国籍間の問題となりますので、親会社の所在地である日本だけでなく、子会社や関連会社の所在地である現地の制度も考慮に入れなければなりません。特に税金をどちらの国がとるかの問題になり、新興国は税金を取る気満々ですので、注意しなければなりません。

 

発展途上国の移転価格リスクを記載すると次のようなものがあります。

  • 子会社の損益が
  • 継続的に赤字
  • 毎期大きく変動
  • 優遇税制の適用期間後損益が悪化
  • 子会社の利益水準が
  • 現地の比較対象企業よりも低い
  • 取引のある国外関連者より低い
  • 同社が果たす機能や負担するリスクに対応していない
  • 日本の親会社に多額の使用料を払っている
  • 商流の変更を伴う事業再編を行っている
  • 低課税国に所在する国外関連者との取引がある
  • 申告書に添付する移転価格関連資料に問題がある

 

これらは新興国の税務当局の重点調査対象となりえます。

 

中国では移転価格税制の具体的運営指針の中で「関連企業からの受託加工製造を行い、限定的な機能・リスクのみを有する企業は、通常は一定の利益水準を保持しなければならない」という趣旨の規定があります。要するに赤字を中国企業に負担させるなということであり、中国の子会社が赤字の場合にはその実態がどうあれ、移転価格リスクは高くなります。

 

新興国では、移転価格税制の執行が強化されていますが、大きな論点は次のようなものです。

  • ロケーション・セービング
  • マーケット・プレミアム
  • 執行の不安定性

 

一つ一つ簡単に見ていきましょう。

  • ロケーション・セービング

労働者への賃金が抑えられる国に製造拠点を移せば、それだけコスト削減になります。そのため、現地の税務当局は現地子会社に一定の利益配分を要求することになります。

 

  • マーケット・プレミアム

企業が経済情勢の良い新興国に販売拠点を持つことで得られる超過利益を意味します。それは新興国のマーケットが良いためと考え、現地の税務当局は子会社に一定の利益配分を要求することになります。

 

  • 執行の不安定性

新興国での一番厄介な点です。いわゆる国税当局の執行が不安定であるということ、現地の調査官は移転価格税制の知識が不十分であるだけでなく、税収確保という目標を追求するため、強引な課税が行われがちです。

 

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