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やはり店はステーキを売れ?

以前、「ステーキを売るならシズルを売れ」というタイトルの本がありました。ここで「シズル(sizzle)」とは、もともと、「油で揚げたり、熱した鉄板に水を落としたときに、じゅうじゅう音を立てるさまの意味」ですが、広告表現で、消費者の五感に訴えて購買意欲をそそる手法のことを言います。

 

ウェブサイトでもポスターでも、ジュージューといかにも音が聞こえてきそうな、見た目も油がはじけてくる、音感と見た目で、そそらせて、客を惹きつけます。

 

消費者には広告で味やにおいは伝えられません。においを伝える広告は、店から出るうなぎ屋の煙くらいなものですが、そもそも「味」の差別化も非常に難しいです。なぜならば味覚は十人十色ですし、個人によってまるで好き嫌いが分かれます。そこでおいしいだけでお客さまを惹きつけるのは非常に難しいのです。そもそも最大の調味料は空腹ともいえるくらいで、個人の中でもその時の状況によって、味覚はずいぶん変わります。たまたま体調の調子悪いときであれば、どんなにおいしいものを食べてもおいしいとは思えないでしょう。

 

見た目や音というのは、味よりも個人差は小さいものです。何よりも見た目や音でかなり食欲を高める効果があります。一番いいのはニオイのようですが。そこで「ステーキではなくシズルを売れ」というのは、マーケティング手法としては非常に合理的な考え方なのです。

 

しかしここ最近、厄介なことに、SNSが登場してきました。こうなるとどうなるかと申しますと、当然のことながら、シズルはよりマーケティングとしての効果が高まります。ジュージューおいしそうな動画は、本当においしいと思った人であれば、SNSの動画でシェアしてくれるかもしれません。

 

ここに一つ重要な落とし穴があります。お客さんが、あなたの店を訪れて、本当にいいもので、シェアをすることが自分の自慢になると思ってくれたら、の話です。そこであなたがやらなければならないことは、最初の呼び水として、シズルを活用したマーケティングを試みるのは決して悪くはないでしょう。しかしあなたはその本質である「あなたが自慢できるステーキ」を売らなければなりません。むしろ「シズル」はお客さまにシェアを任せるくらいがよいのです。当然、「ステーキ」だけでなく、店やあなた本人のキャラクターだったり、お客さまに喜ばれるサービスを提供することなのです。そうしなければ、いくらシズルが良かったとしても、その後、「見掛け倒しでさー、、、」という口コミがSNSで拡散されてしまいます。

 

今の時代に必要なのは、あなたはひたすら、お客に喜ばれるサービスとステーキを作り、シズルはなるべくお客さまにお任せするというスタイルだと思います。

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