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人の習性から生じる交通発生源

動線は交通発生源と交通発生源を結ぶものです。本来、個人にとっての交通発生源は、自宅や会社だと思います。しかし交通発生源として考えた場合には、どちらかの交差点に人が集まるために、交差点も交通発生源と考えています。

人は最短距離を歩きます。これは人の習性です。当然のことながら全てが直線距離と言うわけにはいきません。そのために、別々の場所に住んでいる人も、最短距離になる道を通る結果として、同じ場所(つまり交差点)に出てきます。

また、線路や大きな道路、河川があり、最短距離を通れず、回り道をせざるを得ないときもあります。それゆえ、同じ交差点や横断歩道を通ることになるのです。

人にはちょっと探検したいというときもありますが、それはあまり慣れていない土地だった場合です。

次に、新しい土地を通りかかったときに何となく迷ってしまうこともあります。こういったときには、大型商業施設がなくても「回遊動線」ができる場合があります。特に女性は非常に好奇心が強く、危険を避ける習性があります。そのために女性が向かう先には女性の好奇心を刺激する何かがあるものです。ストーカーと間違われないようにしなければなりませんが、オフィス街のランチ時に数名女性が歩いていたら、その後を付けてみると、美味しい店を見つけることもあります。

また、女性は地図が読めないと言われますが、歩いているうちに迷ってしまうこともあるようです。買い物などで流入してきた女性が迷い込んでしまい回遊する、こういうときにも回遊動線が生まれます。そのため交通発生源と交通発生源を結んだ直線の動線から少し延長して考えられる場所もあるのです。但し、このような回遊動線は非常にまれであると言っておきましょう。

最初の話に戻りましょう。人は最短距離を行く、これは習性ですが、もう一つ、「同じ地域に住む人々は、似たような行動をとる傾向がある」(絶対ではない)のもまた、人の習性と言えるでしょう。

日本の場合、朝は都心に向かってみんなが集まります(オフィスへの出社)。職場へ向かう際に駅を利用している場合には、駅に向かっての人の流れが生まれます。土日になるとスーパーマーケットやデパートへの購買行動が発生します。同じ曜日や同じ時間帯に、多くの人の行動は重なるのです。

概ね人の行動ベクトルは首都圏の中心部に向かっていますが、これがわかっていると立地調査を効率的に考えることができます。実査を行うときに、行動ベクトルがどの方向へ向いているか、その周辺住民がどういう行動を取る傾向があるかがわかっていれば、調査の範囲に辺りを付けることができます。いわゆる重点調査ですね。全部が全部徹底的にエリア内を調査していては時間の無駄です。

予想通りに行動ベクトルに沿って人々が行動しているかどうかをチェックし、そうでない場合には、その理由を探ります(予想もしていない交通発生源があるということ)。そうすることで商県の特質を理解できるようになります。

それ故、単純に円で商圏を見るのではなく、行動ベクトルの方向を加味して商圏調査を行うと、より精度の高いものになります。

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