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世界最古のクチコミマーケティング、アダムとイブの会話

文献に残っている世界最古のクチコミは、イブがアダムに言った「この禁断の果実を食べなよ」だろう。聖書の記述では、単にイブがアダムに果実を手渡しただけになっている。その前に蛇が「(禁断の果実を食べると)神のように善悪を知るものとなる」と言って、イブをそそのかしている。アダムはイブという(神様が与えてくださった)信頼できる者から、渡されて、禁断の実を食べてしまった。それが神様から「善悪の知識の木からは、決して食べてならない」と禁止されていたにも関わらずである。これがクチコミマーケティングの本質を表している。

 

おそらく人類がコミュニケーションを失わない限り、攻殻機動隊の世界のようにたとえ人類の脳が電脳化され、口頭によるコミュニケーションを必要としなくなったとしても、いわゆるクチコミによるマーケティングは不変ではなかろうか。特に農耕民族である日本人は、集団行動を行い、お互いに協力し合って村(コミュニティ)を発展させることを当たり前のこととし、コミュニティの中の人物からの情報は比較的に信用しやすい種族なのではなかろうか。それゆえ、クチコミマーケティングは諸外国よりも効果的に思える。

 

飲食店にとってのクチコミはどのように発生させるかだが、聖書の蛇はイブに対して、「おいしい」とは一言も言っていない。「それを食べると、目が開け、神のように善悪を知るものとなる」と言った。これは「あなたがそれと食べると物凄いメリットがある」ことを伝えているのだ。その後でイブは初めてその禁断の果実を見つめ、「その木はいかにも美味しそうで、目を惹きつけ、賢くなるように唆していた」とある。その後でイブが果実を取って食べ、「こりゃいいや」と思い、アダムに果実を渡した。

 

「メリットがある」→「美味しそう」→「見た目もいい」→「食べてみた」→「こりゃいいや」→「あんたも食べなよ」という流れだ。美味しいは二の次になっている。女から男という流れも非常にリアリティを感じる。

 

味覚は人それぞれであり、「美味しい」というだけでは、受け手が具体的にイメージしづらい。そこで「美味しい」以外のメリットを打ち出す必要がある。そのメリットとは、もしダイエット中の人であれば、ロカボ食やベジタリアンメニューという切り口もあるが、SNS時代においては、『話題性』と一括りにすることができよう。

 

その話題性を事例として上げれば、料理が刺激的に辛い、あり得ないくらいに甘いとか、超激安でボリューミー、まさにインスタ映えするカラフルなメニュー、サービスそのものが面白い、珍しい、ということもあるだろう。カフェでSNS映えしやすいのは、ありきたりかもしれないが、「ラテアート」。ハート、チューリップ、くまさん、パンダなど難易度に応じて、色々ある。渋谷のバーで、映画の題名を伝えるとそれにふさわしいカクテルを作ってくれるバーがある。そのカクテルも非常に拡散させやすい。「いいね!」ほしさに、この店に行ってみようという気さえさせる。

 

「美味しさ」より「話題性」、そして信頼できる者からの情報。世界最古のクチコミがそれを教えてくれている。

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