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シズルワードをマーケティングに活用してみよう

『グランクラブハウス』(日本マクドナルドホールディングス)
ジューシーな100%ビーフとふんだんな野菜をクリーミーなソースでまとめた、8種の具材の組合せが絶妙なおいしさの一品。

バンズ:丁寧に手丸めし、スチームした、ふんわりもっちり食感の特製バンズ
ビーフパティ:100%ビーフを使ったジューシーなパティ
ホワイトチェダーチーズ:クリーミーでまろやかな味わいが特徴のホワイトチェダーチーズ

この表現から非常に美味しさが伝わってくる。「ジューシー」「クリーミー」「ふんわりもっちり」「まろやか」。これらを「シズルワード」という。別の言い方をすると、食のオノマトペ、あるいは食のテクスチャー表現ともいう。いわゆる自然界の音・声、物事の状態や動きを音で象徴的に表現した語。擬音語のこと。

その他、さりげなく、マクドナルドが「丁寧に手丸め」すると貴重な感じがするし、「ふんだんに野菜を」とすると、健康に良いイメージを消費者に持たせる効果がある。もっとも言葉よりもホームページに掲載されている『グランクラブハウス』の写真にもっとそそられるかもしれない。

TwitterやInstagramを使い、そそる写真とシズルワード、そしてハッシュタグによる情報発信は飲食店販促の最強のツールと言える。

日本語の味のテクスチャー表現は、専門家によると445語。中国語の3倍、フランス語の226語、フィンランド語の71語と比較して、ものすごく多い。これほど食に関する表現が多種多様であるということは、日本人は元来、食通なのかもしれない。和食がユネスコ文化遺産に登録されるぐらいだから(2013年12月)、世界的評価が高いはずだ。もっとも和食は味だけでない。①多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重、②健康的な食生活を支える栄養バランス、③自然の美しさや季節の移ろいの表現、そして④正月など年中行事との密接な関わりを評価されている。

もし日本人シェフがフランス料理やイタリア料理を作っていたとしても、世界的に評価されている和食の特色はDNAに刻まれているし、それら特色を自然と生かしたものとなっていると思われる。ちなみにユネスコ文化遺産に登録されているのは、フランス料理、地中海料理(スペイン、イタリア、ギリシャ、モロッコ)、メキシコ料理、トルコのケシケシの4つ。中華料理よりも先にユネスコに認められたのは、正直、自信を持っていい。

ちょっと脱線したが、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を刺激することで、消費者の来店を促進することが可能だ。これら五感のうち、視覚だけはメニューの写真で消費者に訴えることができるが、その他の四感については、食のテクスチャー表現と、それを受け取った消費者の想像力によって掻き立てることができる。日本語は極めて優れた言語であるといってよい。

特に一言で二感覚の表現をしている例がある。それを共感覚や複合感覚と言っているが、例えば「ぷりぷり」といえば視覚や触覚を表し、「さくさく」といえば、触覚や聴覚を表し、「しゅわしゅわ」といえば触覚、視覚、聴覚の三つの感覚を同時に表現している。

店がメニューブックや、外に建てるスタンドサイン、ネットによるメニュー販促において、自分がお客になったつもりで最大に美味しさを表現してみよう。ワイン漫画の『神の雫』のように芸術的かつ誌的でなくても構わない。むしろおいしさ表現ではマクドナルドやクックパッドが参考になる。メニューのおいしさを表現して、店主自身よだれが出て、おなかがすいてくれば、その表現は間違いなく合格だ。

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