BLOG

どんな店にリピートしたいと思うだろうか、消費者目線で考えてみる

レジのときに渡される次回使える割引券、10個貯めるとメニュー一皿無料のスタンプカード。これらは再来店を促進する強力な販促手段である。財布の中に割引券やスタンプカードが入ってなければ、それだけで、今回は損な気分なのでやめておこう、となる。これはむしろ逆効果にしかなっていない。割引券は再来店動機にもなりうるが、恒常的に割引券を出していると、割引券のある時に行こう、となり、割引期間外の来店の心理的ハードルを上げてしまう。

クーポンも新規相手にとか、たまにやる場合には、効果的なときもあるが、安さ目当てに来る客はチェーン店等の経営体力のある店に任せた方がよい。客が店を選ぶ権利があるのと同じく、店側にも客を選ぶ権利がある。そして店が来てほしい客に、来てもらえるメニューやサービスを提供し、的確な販促をできた飲食店は繁盛店になっていく。お客の顔色を見ながらクーポンをばらまいている店は、経営的にじり貧になっていく。

飲食店を開業しようとする動機は多くあると思うが、「自分が美味しいと思っている食事をお客さんに提供し、そのお客さんが笑顔になってくれること」とそんな健全な気持ちで始めた方が多いと思うのだが、クーポンの安さ目当ての客が、笑顔になってくれるのだろうか。あなたが丹精込めて作った料理に対する感想は、所詮「あー食った食った」だ。

個人的に、リピートしたくなる店は、これだけではなく、あれも、それも食べたいな、常に心残りさせるようなメニューを持つ店。一つでもぐっとくるような場合は、別のものも食べたいなと思わせるもの。なんせ、おなかに入る量は決まっているので、全てのものを一度で食べきれるわけはない。逆に、一つ食べただけで、もういいかなと思ってしまったら次はない。

ある店はランチに一品しかなく、しかも春夏秋冬、1年を通して4種類しか出ない。このような店は、毎日は厳しいが季節の変わり目には必ず行きたいと思わせる。旬の素材を使っていて、それも楽しみ。その店は最初、ディナータイムに行き、美味しくサービスもよかったのでランチも顔を出したパターンだ。ディナーが美味しいとランチも当然旨いと考える。

その他リピートしたくなる店の特徴として、店主やスタッフの愛想がよいこと。美味しい料理を食べに行くというよりは、人に会いに行く。こういう店はクーポンなんてやっていないし、ましてやグルメサイトにのせてもいない。たまに店主や女将さんから「いつもお世話になっているので、これはサービスです」と枝豆が出てくる。あるいは「お客様のために、本日届いたばかりの旬の食材で作りました」と言われた方が、クーポン券よりどんなに嬉しいことか。これは常連客だけへの特別サービスでもある。

毎回頼んでも飽きないメニューがあるということもポイント。そういうメニューはたいていメインメニューではなくサブメニューだったりする。

以上のように、個人の繁盛店には、チェーン店ではできない、店主や女将、スタッフとお客とのハートフルな関係がある。どうしても人には好き嫌いがある。それはメニューではなく、人と人との関係という意味だ。店とお客、それは「相性」がいいかどうか、と言い換えることもできる。店主が誠心誠意食材を愛し、真摯にお客に対応しただけで、それはクーポン以上の販促効果をもたらすものだ。

関連記事一覧