BLOG

看板メニューの効果的な価格戦略はどうあるべきか

昨日、スター(看板)メニューの話をした。開店当初の飲食店はまず看板メニューの開発と販促に絞ったほうが良い。あの店には「これ」を食べに行く。いわゆるお店の看板メニューは各々の店で考えていただくしかないが、この看板メニューの収益率についてはまた別の見方がある。

看板メニューで儲ける、あるいは看板メニューは客寄せパンダと割り切って、他のメニューで稼ぐ。看板メニューでそこそこ稼ぎ、他のメニューで客単価を上げる、こうすると、色々と戦略が考えられる。

① 看板メニューは原価割れ、あるいは原価率100%、もしくは高原価率で普段は手に入らない高級食材をリーズナブルな価格で提供し、他のメニュー、時間課金、イベント料等で稼ぐ。「俺のシリーズ」の手法。この店は顧客回転率を高めることでも収益を上げている。ちなみに俺のシリーズはシェフも一流。

② 看板メニューでそこそこ稼ぎ、他のメニューで客単価を上げる。マクドナルドのパターン。『コーヒーとサンドイッチの法則』(著:竹内正浩氏)によれば、日本マクドナルドのバーガー類の売上が41.3%に対し、ポテトやデザート、ドリンクが50.1%。原価もLサイズのコーラの溶液(原価)が3セントで販売価格は1ドル49セント。原価率は限りなくゼロに近い。そしてポテトは1ポンド当たり30セントで仕入れ、6ドルで販売。原価率は5%となる。平成28年12月期の日本マクドナルドホールディングスの決算短信によると原価率が35.4%であるから、バーガー類の原価率はかなり高いものと思われる。

以上を見る限り、マクドナルドにとってハンバーガーが主力商品であることには違いないのだが、店にとってシンボルかつ、客寄せ商品のハンバーガー屋でなく、収益率という視点で見れば、その実態はポテトとドリンク屋だったということになるだろう。この発想は大いに参考になる。看板メニューで大いに儲けてもよいし、客寄せパンダとして高い原価率で他のメニューで稼ぐことを考えてもよい。話題性だけで勝負できるのか、お得感を出さなければいけないのか、それはどのような分野か、業態か、メニューか、近隣に競合はいるか、そもそも顧客ターゲットは誰かによって、看板メニューの価格戦略は大きく異なってくる。

主力商品でしっかり稼ぎ、その他のメニューでもしっかり稼いでいく、というやり方もある。これは、スターバックス、ドトール、タリーズやベローチェ(シャノアール)等はメインをコーヒー等のドリンクにおいているが、サンドイッチ等も充実しており、ランチでも利用できる。自分の場合、ランチで読書やゆっくりと1時間程度過ごすときにはベローチェを、数時間パソコンで作業が必要な時はスターバックスを重宝している。この点、チェーン店でない個人経営のカフェはコーヒー一杯で長く居座るのも気が引けてしまう。居座ってもまあ大したことはねえだろう、というのもカフェに大切な安心感かも知れない。

なぜ飲食店を利用するかというと、食事だけではなく、お店の雰囲気も味わいに行く。もちろんスタッフのサービスも含んでいる。自分の場合、パソコンで作業したいときにはスターバックスを利用する、というのは、コーヒーを飲むだけであればオフィスか自宅で、コーヒーをすすっていればいいのだが、環境を変えて作業したいときもある、それにふさわしい場所が自分にとってのスターバックスなのだ。

客寄せのために看板メニューが必要だ、店とメニューを結びつける、印象に残るインパクトが大切とは書いたが、その後リピーターにするためには、メニュー以外の雰囲気である空間の提供、スタッフのサービスの提供も含め、店舗全体の空間プロデュースができているか、それが来店客のニーズに合致しているかもまた重要なのである。

関連記事一覧