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中の人問題から考える、Twitterの中の人のペルソナ化

2010年に、加ト吉(現テーブルマーク株式会社)の中の人が退職し、Twitterの中の人の引継ぎについて問題視されたことがあった。加ト吉の当時のTwitterと言えば、雑談、冗談、親父ギャグの嵐で、大人気を博した。中の人が変わった後で混乱はあったものの、その後の担当者も一生懸命「ボケ」たり、頑張っている様子はあったが、2014年7月15日で現在停止中。

終身雇用制度が崩壊し、世間的にいい会社に入っても定年退職まで勤め続けるのは、今後はますます絶滅危惧種になるだろう。Twitterのビジネス上の活用が始まった頃は、担当者も手探りで行っていたはずだ。Twitter運用ルールは当初はなかっただろう。しかし加ト吉の中の人退社事件が、Twitter中の人問題のリスク管理を考えさせるきっかけになった。そもそも加ト吉も循環取引の架空利益計上の問題があったことで、一時期倒産の噂すら出たくらいだ。もしそのような状況でなかったら、加ト吉も世間的にいい会社であり(復活したテーブルマークは当然いい会社だが)、将来を危惧して、中の人がここまで奇抜なTwitter展開をしなかったかもしれない。当時の会社にまつわる黒いイメージを払しょくしたいとの狙いもあったことだろう。

それはともかく、Twitter運用のリスク管理について、早い段階で、「Twitter担当者のペルソナを確立する」ということが提唱されていた(アートプランAの山口優氏)。この加ト吉の中の人問題が原因かどうかはともかく、冷凍食品のTwitterはなぜかペルソナすぎる。

例えば、マルハニチロのTwitterでは、アカウントがなんと「シュウシュウとマイリン」だ。これはパンダのキャラクターであり、マルハニチロの冷凍食品が大好きという設定だ。さりげなくマルハニチロの冷凍食品の告知もしているが、Twitterの中身はほとんどが日常のつぶやき。運動の日には運動会の話題。十五夜には月見の話題。その他は、間違い探し、クロスワードパズル、なぞなぞのオンパレード。キャンペーンは、本体のホームページに飛ばして、冷凍食品のバーコード3枚貼って応募。あとはよくある抽選〇名様に△プレゼントと言うお決まりのコースだ。

ニチレイフーズは、炒飯を頭に乗せた「イタメくん」。見ただけではどこの会社のTwitterカウントかすらも全くわからない。一番多いのは、見た目によらず、とても賢く、「何へえ」もつくようなウンチクネタ。例えば、12月21日が回文の日になった由来は、そもそも1221と回文になっているからというウンチク。雑学博士を目指している人は、絶対読むべし!その他は誰かの誕生日に合わせて、イタメくんがその役になりきる。例えば1月18日はサンリオのマイメロディの誕生日だから、赤ずきんをかぶって「ハッピーバースデー♪」を歌う。アニメの声優が好きなのか、12月8日には声優の三石琴乃さんの誕生日を祝って、三石さんの演じた月野うさぎ(セーラームーン)、葛城ミサト(エヴァンゲリオン)になりきる!

マルハニチロのシュウシュウとマイリンにしても、ニチレイのイタメくんにしても、ペルソナがしっかりできていて、中の人が変わっても、中の人はTwitter運用ルールで決められたペルソナを演じるだけでよくなる。中の人が本来持っている個性は不要だ。

小さな飲食店のTwitterカウントの運営方法を考えてみるに、最初の中の人は間違いなく、オーナーそのものがやるべきだ。そしてそのうちに、ペルソナを固めていこう。最初からスタッフやアルバイトに任せきりにしておくと、彼らが辞めたときに収拾がつかなくなる。方針やペルソナが決まった段階で、スタッフやアルバイトに引き継いだ方がいい。彼ら、彼女らの方がTwitterなどSNSの使い方には長けているはずだ。逆に彼らに最初から参画してもらって、ペルソナを決めてもよいと思う。初代中の人、二代目中の人と別の個性があっても面白いかもしれないが、これだけ言えることは、必ず飲食店のコンセプトに従うこと。この点を外さなければ、Twitterの中の人問題は概ね解決できると思われる。

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