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新たな飯テロ襲来!とはいえ空腹感が増した視聴者はどう行動する

『忘却のサチコ(原作:阿部潤さん)』がようやくドラマ化(2018年1月2日・テレビ東京系列)されます。新たな飯テロ襲来。高畑充希さんの主演で、演技力のある女優さんですから、あのお堅いサチコさんもきっと上手に演じてくれるに違いありません。

仕事ができて、お堅く、真面目で、四角四面で、すべてが事務的。そんな女性ですから、漫画の冒頭で、結婚式の最中に新郎(俊吾さん)は逃げてしまい、失恋のショックを紛らわすために、以後、バク食いに目覚める。結婚も事務的に処理するような堅い女性なので、確かに逃げたくもなるかも。でもそんな不器用なサチコさんにどことなく親近感がわいてくるのです。

飯テロのドラマは数多くあります。ゴロー♪ちゃんで有名な『孤独のグルメ(主演:松重豊さん)』が火付け役でしょうか。『孤独のグルメ』は主演の松重豊さんの演技がとても素晴らしい。雑誌のインタビューによると、撮影前日や朝はわざと食を抜き、空腹にして撮影に臨んでいるとか。ご自分では小食とおっしゃられてましたが、そういう役者魂があるからこその迫真の演技で、視聴者に美味しさが伝わってくるのでしょう。空腹は最大の調味料ともいいます(空腹でなくても紹介されているお店の料理は全部美味しいと思いますが)。本当に「機関車のよう(ドラマでもそのような表現を使っていました)」に食べています。

元々の漫画の原作(原作者:久住昌之さん)は、発表当時、渋くて独創的で硬派な漫画、というイメージで、これほど社会現象を起こすとは想像していませんでした。コンセプトそのものは斬新でしたが、ドラマ化で一気に華が開いた作品なのだと思います。漫画そのものも非常に「味」がありますので、機会があればぜひともお読みください。

あと、著名どころは「ワカコ酒(主演:武田梨奈さん)」。ゴローちゃんのようながつがつ系ではありませんが、OLさんが仕事帰りに軽く一杯。そのような気軽さが受けていると思います。ワインやウィスキーもありますが、和食と日本酒がメインな造りになっています。新久千映さんの原作漫画は一つのメニューごとの話になっています。ワカコをはじめとした登場人物はシンプルなデザインですが、メニューそのものはそれと対比して結構凝った作画です。

あくまでも自分の感想ですけれども、『孤独のグルメ』や『ワカコ酒』はドラマは間違いなく飯テロですが、原作漫画は空腹を刺激するほどの飯テロではありません(ワカコ酒は少々刺激するかも)。それに引き換え、忘却のサチコは原作自体が既に飯テロになっています。むしろ『孤独のグルメ(ドラマ版)』のゴローちゃんの一人ぶつくさや食べ方を、漫画で女性にしたら、こうなった、という感じでしょうか。リアクションも、サチコの想像の世界で大仏さん、バレリーナ、アメリカンヒーローとか出てきたりします。おいしさ表現もエンターテイメント性を出しています。

テレビドラマで取り上げられたお店でも、数年たったら閉店している店もある、というくらいに飲食店は栄枯盛衰の激しい業界でもあります。テレビで取り上げられた後、増えたお客にうまく対応しきれずに、かえって評判が落ちてしまった、話題になって慢心してしまい、その後の集客努力を怠った、など上手くいかなくなった理由は多くあるでしょう。

また、テレビドラマで取り上げられても、その店は、今から行くには遠いだけでなく、そもそも閉店時間になっています。そのため飯テロによって増した、大半の視聴者の空腹は近くの24時間営業のファストフードかコンビニ飯、あるいは買っておいたカップラーメンなどで満たすことになります。

テレビは未だにお店の認知度を強力かつ即効で高める最高の手段ではありますが、取り上げられる運や、場合によっては宣伝費用もかかることもあり、今後、テレビ離れによる視聴率低下もより現実になっていくことでしょう。このような時代背景の中で、SNSによる情報発信は、時間がかかるものの、十分な準備期間(スタッフの増強や育成)が取れる点、テレビと異なり、継続的な認知が図れる点等、今は小さいが、これから大きくなっていく飲食店にとってより多くのメリットがあります。

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