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身近なストーリーを探そう

最近成績がさえませんが、マンチェスター・ユナイテッドというサッカーチームがあります。日本人にとっては、以前、デイビット・ベッカム(レアル・マドリ―ド⇒ロサンゼルス・ギャラクシー)がいたところ、クリスチャーノ・ロナウド(その後、レアル・マドリ―ド⇒ユベントス)がいたところ、といった方がわかりやすいでしょうか。どちらも7番だったという。

 

彼らの人気は、全世界的にはスペインのレアル・マドリードやバルセロナに匹敵します。なんで人気があるのかというと、強いからだ(強かったからだ?)、親がユナイテッドファンだったからその子供も、と言ってしまえばそれっきりです。ただ、おそらくその人気の質は、スペインの両雄とはその性質を異にする気がします。

 

時計の針を半世紀以上戻しましょう。1958年2月6日3時40分。UEFAチャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグの前身)の準々決勝の第2レグでベオグラードのレッドスター戦で引き分けた後、選手の乗った飛行機はミュンヘン空港から飛び立とうとした直後墜落し、多くの死者を出しました。その中で主力選手8名が命を落としました。残った選手だけでは、すぐには強くはなれません。そしてユナイテッドが再び輝きを取り戻すまで4年の歳月を必要としました。その4年後FAカップで優勝、そしてその2年後にリーグ優勝を果たしました。ちなみに事故から約9年後にUEFAチャンピオンズカップで優勝を果たすことになります。数多くの主力選手を飛行機の墜落事故で失うという悲劇を乗り越え、再び強くなる様を、全世界のサッカーファンがきっと見守り、そしてその優勝を喜んだことでしょう(自分は生まれてさえもいませんが)。

 

近年では、2016年11月28日に墜落事故でブラジルのシャペコエンセが選手や首脳陣ら含め47名を失う悲劇が記憶に新しいと思います。それ以降、シャペコエンセがどうなっているか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

 

これは人の命を犠牲にしたストーリーではありますが、良くも悪くもブランド力は高まります。思えばブレモンの時計も、父を飛行機事故で失ったことをきっかけにしています。記憶に残るストーリーは、スケールが大きくなってしまいますが、我々凡人クラスのビジネスでは、ここまで大きなストーリーや劇的なものは必要ありません。必要なものは、真実味や人間臭さでしょう。壮大ですが、作り上げた嘘よりも、小さいけれどよくある真実の方が人の心を打ちます。

 

ほんのちょっとしたお客さまのやり取りでもいいと思います。迷子になったお子さんを預かって、警察に連絡して、数時間後母親が現れたとか、1か月夜通し働いて、人生に一度しかないビッグイベントをチームのみんなで成し遂げたとか。さえないレストランが、昔よく遊んだ友達が来てくれて、アドバイスを受けたら立ち直ったとか、自分の作ったカツカレーで食べた高校球児が、一度も勝ったことのない公式戦で、(最後の夏に)1勝を上げたとか。隠れた名ストーリーはあなたの身近にたくさん落ちているもので、実は気づいていないことが多いのです。今一度、身の回りをよく観察して、ストーリーを見つけ出し、それをサービスにどう生かせるか考えてみてください。

 

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