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口コミをバズらせる要因とは―STEPPS理論―

ジョーナ・バーガーというペンシルバニア大学の准教授が、バズる口コミのメカニズムを明確にした理論がある。これをSTEPPSと呼んでいる。これは①ソーシャル・カレンシー(Social Currency)、②トリガー(Trigger)、③感情(Emotions)、④パブリック(Public)、⑤実用的な価値(Practical Value)、そして⑥物語(Story)のそれぞれの頭文字をとっている。これら全て、あるいは多くの要素を持つコンテンツがバズるようだ。

ソーシャル・カレンシーのカレンシーとはいわゆる通貨のことだが、お金を稼ぐ喜びと、でかつ自分語りをして活性化する脳の領域は同じらしい。自分語りをする内容でいいね!してほしい。誰の元ネタかはともかく、こんなことを知っている、ということが自慢になる、そういうコンテンツであること。

次にトリガーとは、話すきっかけになる出来事があるかどうかだ。社会的に問題となっている話題だけでなく、情報の受け手にとって、そこで話される内容が「旬」であるかどうかだ。例えば、日本(関東地方)の年始の風物詩、箱根駅伝だが、自分に関係のない大学であったら興味がわかない。青学出身者でなければ、4連覇の話をしても、ああそうなの、で終わりだ。でも東洋大学の監督が「同じ力ならば若い方を使う」という発言をしたことを話題にすると、「中年に厳しいご時世だよねー」とか、「村田選手も、若手の切り替えで巨人をリストラされたのかな、まだやれるしどこかに決まってほしいよね」と別の話題で盛り上がることもある。これがいわゆるトリガーである。もう一つ、今朝未明に起きた台湾地震も然り。台湾の方には日本での震災でお世話になったからこそ、気が気でないし、自分も友人がいるので安否確認をしてしまった(ただ台北なので問題はなかった、東北地方で地震が起きた時に関西の友人の安否を心配するようなものか、、、)。友人の被害について、自分のことのように心配になってしまう(改めて台湾加油!)。

情報は、心配であれ、悲しみであれ、怒りであれ、逆に喜びであれ、感情を伴った時に拡散しやすいものである。

パブリックとは、人の目に触れやすいということだ。山奥に自店舗の宣伝をしたところで、熊や猪はお客になってくれない。まだ繁華街に看板を出した方が効果がある。これはリアルな宣伝の話だが、ツイッターの例でいえば、色々な人をフォローすることで、自分の存在を知ってもらい、数多くツイート、リツイートすることで、フォロワーを増やす。そうして、人の目に触れる機会を多く設けるべき、ということだ。

実用的な価値とは、読んで字のごとく、その情報が受け手にとって実用的な価値があるかどうかである。飲食店の例でいえば、SNSキャンペーンに投稿したら、抽選でドリンク一杯サービスやクーポン入手、あるいはアマギフ(アマゾンギフト券)のプレゼント、等いわゆるお得情報かどうかである。

物語とは、単にメニューの写真を掲載するのではなくて、おいしさ表現なり、そのメニューの制作秘話等、物語の中にメニューを組み込むことである。例えば、赤ワインの写真を載せるだけでなく、その赤ワインの産地はどこなのか、その成分のポリフェノールが動脈硬化予防に効果がある、あるいは活性酸素を退治してくれて、非常に健康に良い等、そういった物語を添えるのだ。

以上が、ジョーナ・バーガー氏のSTEPPS理論の大雑把な要約だ。詳しい話はバーガー氏の著作「なぜ「あれ」は流行るのか?」(日本経済新聞出版社)を読んでみるとよい。

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