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わかりやすく、インパクトがなければ客は来ない

人の記憶に残りやすいものは、どんなものだろうか。そして結び付きやすいもの、ピンとくるものは。

というところからあなたの店と来店客を考えてみてほしい。おそらくそれは「わかりやすいもの」そして「インパクトのあるもの」ではないだろうか。わかりずらく、インパクトのないものだと思い出せないし、そもそも頭も覚えていたいとも思わないだろう。この店は何屋なんだかわからないと誰も入りたがらない。そもそも人は初めてが怖い。口に入れるものならなおさらである。太古の昔から、恐る恐る口に入れてみて、何度となく命を落としてきた歴史がある。毒キノコやフグの肝等々。

まず考えてみよう。どうしてマクドナルドに行くのか。それはハンバーガーが食べられるからだ。どうしてスターバックスに行くのか。それはコーヒーが飲めるからだ。まずわかりやすいではないか。どうしてリピートしたくなるのか。それは食べても、飲んでも安全だとわかっているから、を前提条件として、一定の質(おおむね美味しい)のものが口にできる安心感からだ。もちろんたまに冒険はするけれど、普段(たいていランチ)は仕事のことで頭がいっぱいで、何食べようか深く考えたくもない。悩むだけでも頭が疲れる。そこで一つ一つの店で、一応、メニューを見るふりをするが、ここではあれ、あそこではこれ、ここでは前回はこれだったから、今回はそれ、次回はあれにでもしてみようか、ぐらいな、非常に適当でいい加減な感じである。人はそもそも横着であるということを前提に考えなければだめではなかろうか。

チェーン店はいいだろう。既に人の頭の中に、食べ物のイメージが出来上がっている。この店はこれ、あの店はあれ、と店とメニューと食欲が結びつきやすければ、消費者が選択してくれやすい。そこであなたの店には「あれ」や「これ」はあるだろうか。そりゃあ当然「あれ」だって、「これ」だってあると言うだろう。うちは中華料理屋だ、フランス料理屋だ。中華料理屋だからメニューは一通りあるぞ、炒飯だって、担々麺だって。いや、そんなもんじゃない。自分が言うところの、これ、あれ、それ、というのはお店の看板メニューであって、お客がこの店に来るならば、これを食べたい、というものである。

まず何屋であるというのは当然だ。中華料理屋だと思って入ってみたら、イタリア料理店だったらショックだ。そんなバカな話なんてあるかいな。外から見ればそこが中華かイタリアンかはわかるようにしてあるだろう。多くの店はそういう店構えになっている。しかし中には中華料理屋のような気がするんだけど、実際何屋なんだろう。中華料理屋だと思うんだけど、中がよくわからない。想像がつかない。そこで躊躇してしまって、店を遠めに見るだけ、という非常にもったいない店が結構ある。逆にひっそり、隠れ家的なイメージで商売していくのならば、外から何屋だかわからないというのもいいかもしれない。飲食ではないが、質屋は入るときは他人に見られるのが恥ずかしいから、何屋だか一目でわからない店づくりの方が良かったりする。そもそも隠れ家的イメージで商売していくのであれば、隠れ家的販促、それこそある程度、潜在顧客を抱えていることを前提とした、人の紹介をメインに集客をする方法をとる必要があるだろう。また、著名人や有名人、あるいはハイグレードな人たちが利用する店は、門構えを高くしてしまった方がよい、という考え方もある。成り立つのであればそれも商売である。

戻ろう。まず「お店の看板メニュー」があるか、あなたが自慢できる一品があるか。その看板メニューにお客を魅き付ける要素はあるか。その要素は色々な人に話しても賛同してもらえるものか。それを改めて問うてみよう。繁盛店にならない店は、そのような看板メニューがまずない。そしてその看板メニューをそれなりの方法で販促していない。そこに原因がある。

プロ野球で例えると、出来立ての店は弱小球団(あるいはたまにしか優勝しない)のようなもので、チームにスタープレーヤーが数多くいないから、一人のスター選手にフォーカスして売り出(販促)したほうが効率的だ。チーム全体を販促しても、より多くのファンを獲得することはできない。ある一人のスター選手を使って、最終的にはそのチームのファンにしてしまうこともできる。飲食店もそれと同じであり、スター選手ならぬ、販促に用いるスターメニューをいかに作るか、そしてまず来店客に一口食べさせることから全てが始まるのである。

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