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他事業の安定的収入を評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

準メイン先

与信額:200百万円

地元建築業者を主な取引先としている建築用木材卸売業者。

 

(業況)

5年前に当金庫からの借入により賃貸アパート33棟取得(法定耐用年数22年、取得額100百万円)し事業を拡大している。当行は、上記アパート資金(証貸期間17年、7百万円/年返済)のほか、運転資金(手貸120百万円、期日一括1年)に融資している。

 

大手住宅メーカーによる建売物件の増加の影響などから、売上が低迷しているほか、大口取引先の倒産による売掛金の焦げ付きなどから、前期赤字を計上している。財務状況は表面上わずかながら資産超過となっているが、小口取引先の売掛金の中には長期にわたって回収が図れていないものがかなり見られ、実質的には債務超過に陥っている。証貸については条件変更を行った(元本返済の月額軽減)。但し、賃貸アパートは駅近案件で満室を維持しており、本業の返済資金になりうると判断している。

 

(自己査定)

当行は、本業の木材卸の業況が低迷し、財務内容も実質債務超過になっていることや今後短期間での業況改善が見込めないことから要注意先としている。また、証貸については、条件変更を行っているものの、条件変更後の最終返済期限の延長が法定耐用年数内に収まっていることから、貸出条件緩和債権(元本返済猶予債権)には該当しないと判断している。

 

(検証)

本事例のように、設備資金、特に、収益物件取得資金については、最終期限の延長を行ったとしても、法定耐用年数内であるならば、債務者に有利な一定の譲歩を与えているとは言えず、貸出条件緩和債権(元本返済猶予債権)には該当しないのではないかとの意見がある。しかしながら、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の規定の趣旨を踏まえれば、債務者に有利となる取決めに該当するか否かは、元本返済を猶予する期間の長さのみによって判断し得るものではなく、約定条件改定時の金利が、当該債務者と同等な信用リスクを有している債務者に対して通常適用される新規貸出実行金利以上の金利となっているか否かによって判断すべきである。

したがって、本事例のような場合においては、最終期限の延長が法定耐用年数以内に収っていることをもって貸出条件緩和債権(元本返済猶予債権)に該当しないということではなく、約定条件変更時の金利水準が、同等な信用リスクを有している債務者に通常適用されている新規貸出実行金利の水準、すなわち、当行における信用格付、及び貸出金の保全状況や貸出期間(17年程度)等を勘案した金利水準を下回っているならば、原則として、貸出条件緩和債権(元本返済猶予債権)と判断する必要がある。

しかしながら、本業以外の不動産賃貸業において、比較的安定的な収益を確保しており、本業の元本返済について問題はないと考えている。その収益によっては、本業についての追加融資も検討の余地がある。

 

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