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債務超過解消の実現可能性の高い経営改善計画を評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

メイン先

与信額:200百万円

業種:靴小売店

 

(業況)

景気の低迷から徐々に売上が減少するとともに、量販店の進出の影響もあって、大幅な経常赤字状況を余儀なくされていた。また、3年前には、後継者である長男が長年の不良在庫を一掃し、海外の人気ブランドを中心とする売り場を中心とした営業への切り替えのため、当時の返済金額を軽減し最終返済期限を当初約定より7年程度延長する条件変更を金庫に要請してきた。当金庫では、債務者とのこれまでの取引関係や今後の営業についても、後継者である長男が中心となっている点などを勘案し、これに応じている。当年度の債務者の状況は、当地では手に入りにくい海外人気ブランドの好調やリストラ等により、赤字体質からの脱却できる状況となったところである。しかしながら、債務超過の解消には、今後10年程度を有する状況にある。なお、担保により債務の半分程度は、保全されている状況にある。

 

(自己査定)

当該企業は、ようやく赤字体質は脱却したものの、現時点では条件変更前の状況に回復していないこと、大幅な債務超過の解消には長期間有することから、債務者区分は要注意先とした。しかしながら、当行では信用格付けに基づくリスク管理体制を整備し、債務者の状況は3年前の格付けから上位に遷移しており(要注意先の中で)、担保保全状況等を加味した実質的な利回りが上位遷移後の債務者に対する基準金利に比して高位にあることから、本年度からは貸出条件緩和債権には該当しないと判断している。

 

(検証)

貸出条件緩和債権からの上位遷移については、貸出条件を緩和した後に債務者の状況が好転し信用リスクが軽減すれば、その時点における基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されているかにより貸出条件緩和債権に該当しないか否かを判断することが必要である。したがって、本事例のように債務者の状況が好転し、キャッシュフローが回復している場合には、好転した債務者の状況に応じた基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されているのであれば、原則として、貸出条件緩和債権には該当しない。

基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されているかの検証に当たっては、信用保証協会の保証に代表される保証状況や担保の状況、代表者の資産提供意思などを総合的に勘案し判断することが必要である。本事例においては、担保保全状況が総借入の半分程度であることから、総合的な利回りについては、信用リスクが半減されていることを踏まえて算出している。

なお、本事例のように赤字体質を脱却し、10年程度で債務超過の解消が見込まれている場合には、好転した債務者の状況に応じた基準金利が適用される場合と実質的に同等の利回りが確保されていない場合であっても、合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画が策定されていると考えられることから、貸出条件緩和債権には該当しないものと判断して差し支えないと考えられる。

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