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貸出条件の変更に至った要因を検討してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

準メイン先

与信額:150百万円、総借入額500百万円)。

賃貸ビル(築16年前後)2棟を所有している個人事業者である(年齢50歳)。

 

(業況)

当行は16年前、当該ビル1棟の建設資金に応需して取引を開始(当初借入200百万円)している。当該ビルは、立地条件の悪さからテナントの入居率が不安定で、賃料入金の遅れが度々発生している。加えて昨今の景気低迷により、テナント料の引き下げを余儀なくされ、債務者の賃料収入は年々減少傾向にある。このため、直近2年間は当初の元本の約定返済額を大幅に減額(約70%減)し、かつ最終期日に元本しわ寄せ(当初借入額の約50%相当)とする条件変更を実施している。

 

(自己査定)

当行は、現在元本・利息共に延滞なく返済されていること、決算書上も赤字が発生していないことから、正常先としている。

 

(検証

貸出条件の履行状況も大きな判断要素のひとつである。したがって、本事例の場合のように、元本の約定返済額を減額しているなど貸出条件の変更を実施している企業については、当該変更に至った要因を十分検討する必要がある。

本事例の場合、収益物件の立地条件の悪さ、築年数の経過や景気低迷によるテナント料の引き下げ等の理由から収益力が低下しており、当初約定返済額に比べて返済原資が不足していることから、債務者が支払える程度まで約定返済額を減額したものと考えられ、いわば債務者の返済能力に問題が生じたことに伴う条件変更であると考えられ、要注意先以下に相当する可能性が高いと考えられる。

なお、例えば、当初からの融資契約等により、賃貸ビル建設等のつなぎ資金をビル完成後に短期の期日一括返済から通常の借入期間にわたる分割返済に貸出条件を変更する場合など、上記事例とは異なり債務者の返済能力等に問題が生じたことにより実施される条件変更ではない場合や、返済能力に対応し、通常の借入期間の範囲内で返済条件、返済期間を変更している場合には、原則として貸出条件及び履行状況に問題はないと考えられる。

 

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