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収支計画の具体性及び実現可能性を評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

メイン先

与信額:80百万円

業種:ラーメン店

 

(業況)

過去いずれの3店舗も立地条件が良く、業況も順調であったが、4年前に各店舗の同一営業圏内に競合店が相次ぎ出店、2店舗の業績が急速に悪化、連続赤字を計上し、2期前から債務超過に陥っている。当行は、開業資金や改装資金に応需しているが、前期に、業績の悪化から約定返済が困難となったとして、債務者から貸出金について返済条件の緩和(元本返済猶予)の申出を受けた。

これに対し、当行は今後の収支計画の策定及び提出を求め、代表者は店舗改装、新メニューの追加等による黒字化を折り込んだ収支計画を策定、提出した(計画では3年後に約定返済開始予定)。現状、計画開始から1年が経過しようとしているが、代表者の地道な努力により、業績は計画比8割以上の実績で推移し、赤字幅は縮小傾向にあるが、依然として債務超過は多額なものとなっている。現状、法人預金の取り崩し、経費削減等により資金繰りを繰り回している。

 

(自己査定)

現状、計画比8割以上の実績で推移していることを踏まえ、要注意先(その他要注意先)としている。

 

(検証)

売上減少により連続して赤字を計上し、大幅な債務超過に陥っている場合、一般的には、当該債務者の財務内容からは返済能力は認められず、今後、業況回復の可能性が低いと認められるのであれば、経営破綻に陥る可能性が大きい状況にあると考えられ、破綻懸念先の債務者区分に相当する場合が多いと考えられる。

しかしながら、金融機関等の支援を前提として策定された経営改善計画等が合理的で、実現可能性が高いと判断される場合には、要注意先(その他要注意先)に相当する可能性が高いと考えられる。また、中小企業は、大企業と同様な精緻な経営改善計画等を策定できない場合があり、当該計画に代えて今後の業況の改善等の可能性を検討できる資料があれば、それに基づいて債務者区分の判断を行うことができると考えられる。

本事例の場合、当該企業は4期連続で赤字、大幅な債務超過に陥っている。返済についても元本返済猶予の条件緩和を実施している状況にあることから、今後、返済能力の改善が見込めないならば、破綻懸念先に相当する可能性が高いと考えられる。しかしながら、条件緩和の申出時に作成した収支計画に基づいて経営改善に努め、1年を経過した時点で計画比8割以上の実績で推移し、2年後には約定弁済が見込まれるなど業況の改善がほぼ計画に沿って進捗していると認められる場合には、要注意先に相当する可能性が高いと考えられる。

これまでの経営に対する真摯さもプラスに作用する。

 

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