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地方銀行の行く末

2000年初頭の日本、特に金融機関は不良債権処理に追われていました。特にBIS規制という自己資本比率が8%以上ないと国際業務ができないという縛りが、日本の産業力に打撃を加えました。要するにお金が返ってくるか来ないかわからない先には、お金を貸しづらくなったのです。わかりやすく言えば、返ってこないときは損失を出し、返ってこなさそうな場合は引き当てをすることで、自己資本を毀損することで、自己資本比率を維持できなくなります。

 

アメリカのように投資マインドのある国は、そこまで銀行という間接金融に依存する必要はないのですが、投資マインドが中々熟成しない日本で、銀行が新産業に融資をしなければ、いつまでたっても新産業が現れません。

 

そうこうしているうちに、日本の銀行は貸す力を失っていっています。保険を売るとか、金融商品を売るとか、それは元々銀行のやる仕事ではないでしょう。決済は銀行の仕事だと思っていたら、フィンテックの登場により、その決済業務ですらも奪われていきます。銀行がやるべき業務は、貸すこと、要するにこれ以外はないのです。そうは言っても、お客さまから預金という大事な資産を預かっていて、危ない先には返せないんです、なんて言っていますが、そうそう取りつけ騒ぎが起きることはありません。いざという時は日本銀行というセーフティネットも効いています。自己資本が毀損した場合は、結局は国の税金を投入して助けるでしょう。決済がフィンテックやブロックチェーンによって、銀行を介す必要がないとしたら、そんな無駄金を投下することもなくなるでしょう。

 

決済業務を強化していこうとする場合には、銀行同士が合併して、支店を減らし、ATMを減らし、人を減らし、となります。まあ、彼らは担保や保証のないところでは貸せないでしょうから、縮小していくことになるでしょう。

 

金融庁も地方銀行が生き残るために、2005年に「地域密着型金融」を示し、さらに2015年には「事業性評価融資」を公表しました。いち早く取り組む地銀もありますが、静観している地銀の方が多いのが現状です。そして、1999年に誕生した金融検査マニュアル、これは実質的に「不良債権を生まないための銀行経営」を行うための指針でしかなかったのですが、これも廃止されました。マニュアルを廃止したとはいっても、金融庁の方向性に、地銀が従うという流れは変わることはないでしょう。

 

いずれにしましても、地銀が今後生き残るために必要なことは、どれだけ地域経済の活性化に貢献できるのか、という視点です。そのうちの一つが、やはり地元の銀行に、担保や保証なく、別の考え方で貸し付けること、貸すことができるか、ではなくて、貸すことで地域経済にどのような価値を生み出せるのか、と考え方をシフトしていかなければなりません。こうできない地銀は、残念ながら潰れていくしかありません。

 

別の考え方、それが事業性評価融資というものです。

 

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