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親類の財政状況や支援度合いを評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

メイン先

与信額:30百万円

業種:ケーキ屋

 

(業況)

開業後数年は黒字で推移したが、その後は急速に顧客が減り、現在はほとんど近所の固定客に限られ、大幅な赤字経営となっている。

代表者には自宅兼店舗以外には見るべき資産はなく、開業資金(元利15万円/月の返済)は、昨年初より返済が滞りがちになり、最近では3ヶ月遅れて入金されている状況にある。先日、代表者から返済条件緩和の申出を受けたが、その際、代表者の長男が現在の遅延金の一括支払を行い、さらにその後の返済や最終の回収に問題が発生した場合には、長男自身が支払う旨の申出を受けたことから、約定返済額の軽減(元利10万円/月、最終期日に残額一括返済)に応じている。

当該長男は40歳で、代表者夫婦と同一市内に住む会社員で、年収は10百万円程度。また、長男は会社の保証人となっていない。なお、代表者は事業継続に強い意欲を持っている。

 

(査定)

債務者の返済能力に問題はあるものの、代表者の長男から支援意思の確認ができ、資力も問題ないと考えられることから、最終的な返済の懸念はないとして、要注意先としている。

 

(検証)

当該企業の財務状況のみならず、代表者と密接な関係にある者の支援の意思及び支援の能力を総合的に勘案して、その上で債務者区分を検討する必要がある。

本事例においては、売上の減少が続き、業況は低調に推移し、返済遅延、条件変更に至っていること等を考えると、今後経営難に陥る可能性が高く、破綻懸念先に相当する可能性が高い。しかしながら、当人の事業を継続する強い意志と、遅延分については既に長男が支払解消しているほか、代表者の長男から、条件変更後の返済や最終の回収に問題が発生した場合は支援を行う旨の申出があり、当該長男の収入状況や家族状況等を踏まえ、今後とも支援を行う資力があると認められるのであれば、要注意先に相当する可能性が高いと考えられる。

本事例のように保証人でなく、また、経営に直接関連しない者の支援の検討に当たっては、当該支援者の支援の意思の確認はもちろんのこと、残債権の金額と支援者の資力、代表者と支援者との関係、親密度合等を確認する必要がある。なお、支援者の資力については、支援者自身の個人収支、借入金や第三者への保証債務の有無等を確認する必要がある。仮に、当該支援者に借入金等があり、代表者を支援する資力がないと認められる場合には、破綻懸念先に相当するかを検討する必要がある。また、その確認に当たっては、当該長男の支援意思や収入状況等が当該長男から提出された資料により確認できることが望ましいが、このような資料がない場合には、長男との交渉結果等が記載された担当者の業務日誌等に基づいて確認することも考えられる。

長男が保証人になるなど、何らかの信用状況にプラスに作用する場合には、運転資金などの貸付に応じることもできる。

 

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