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代表者等個人の信用力や経営資質を評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)
メイン先
与信額:10百万円
業種:家族経営のトラック運送業者。代表者(55歳)とその妻(55歳)、及び長男(30歳)が従事。

(業況)
地場企業の製品配送が売上の殆どを占める。丁寧な仕事ぶりが買われ、一定の売上、利益を確保してきた。しかしながら、昨年より代表者の健康状態が思わしくなく、業務に携わることができる時間が限られたため、ピーク時の業況に比べ大幅な減収・減益となった。過去、事務所・車庫兼自宅の増改築資金に融資を実行しているが、業績悪化に伴って、返済は半年前より1~2カ月分滞りがちとなっている。事務所・車庫兼自宅(担保差入物件)の他に見るべき個人資産はない。しかしながら、代表者の業務復帰にかける意欲は強く、ここに来て健康状態も回復に向っている。代表者は日頃から、当金融機関には決して迷惑はかけないとしており、また、長男も代表者の後押しを受けて後継者として事業に励み、業況改善に努めたいとしている。

(自己査定)
業況は未だ不安定で、返済にも遅延が生じているものの、①代表者に業務復帰への強い意欲があり、また、当該企業の下請け業者会の幹事を長年勤めるなど信頼のおける人物であること、②長男も当該事業に5年間従事、取引先の評判も良く、後継の意思もあること、③返済は遅れながらも続いていることを勘案し、要注意先としている。

(検証)
当該企業の財務状況のみならず、例えば代表者等個人の信用力や後継者の存在及び経営資質などを踏まえ、今後の業況回復や返済の正常化の実現可能性について総合的に勘案して、その上で債務者区分を検討する必要がある。
本事例の場合、債務者は、代表者の健康上の理由により大幅な減収、減益となり、返済に遅延が生じ、元本・利息の履行状況について問題が生じていることから、今後業況の回復が見込めないのであれば、破綻懸念先に相当する可能性が高いと考えられる。しかしながら、代表者の信用力、経営資質や長男の仕事振りなどを背景として、代表者の業務復帰に伴う受注増加から、今後、財務内容の改善や収益性の向上が具体的な経営改善計画やそれに代わる資料で見込まれる場合には、要注意先に相当する可能性は高いと考えられる。
なお、代表者本人の信用力等の検討に当たっては、代表者との面談、地元の評判等が記録された担当者の業務日誌等あらゆる与信管理情報に基づいて債務者の実態を把握し判断する必要がある。

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