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技術力を評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

メイン先

与信額:100百万円

人員数:5名

業種:金型製造業者

取引先:国内家電メーカー

 

(業況)

景気低迷による金型需要の低下及び家電メーカー生産拠点の海外シフトから受注量が激減。売り上げ減少による赤字続き。現在債務超過。工作機械資金や材料仕入等の設備資金や運転資金に貸付。このうち設備資金については、条件変更による1年間の元本返済猶予(リスケ)を行っている。

 

(査定)

リスケ以外の延滞もなく、代表者や従業員の2名は業界でも評判の金型職人である。また、代表者が取得した特許権が2件。現在は要注意先。

 

(検証)

中小企業の債務者区分においては、企業の技術力が競争力を有し、今後の事業の継続性や収益性の向上に貢献する場合は、債務者区分のランクアップ要因となりうる。

本事例では業績不況で連続赤字と債務超過に陥っており、今後も業績回復の可能性が低いのであれば、経営破綻に陥る可能性もなくはない。

しかし債務者の持つ高い技術力によって、メーカーからの受注が確実に見込まれる、また、他の家電メーカーあるいはその他のメーカーへの積極的なアプローチによって、業績の改善が予想でき、今後の事業継続性や収益性の向上の可能性が高い場合には、ランクアップ要因と考えられる。

但し、今後の業況の改善が見込めず、企業の資金繰り状況、個人資産の余力や外部支援者の不在を鑑みて、延滞の発生が見込まれ、事業の継続性に懸念がある場合には、破綻懸念先に相当するか検討することになるだろう。

特許権については、企業の技術力の高さを示し、評価のプラス材料の一つとなりうるが、今後の事業の継続性や収益性の見通しを検討するにあたり、特許権のあるなしだけでなく、本件特許権が、既存の受注を確実に底支えし、かつ新規受注につながることで、今後の収益改善にどのように寄与するか、を具体的に検討しなければならない。

以上のように、事業性評価では財務諸表だけでなく、技術力を営業力のプラス材料として考える。この技術力、特許について、第三者の評価があればなお、融資の評価にプラスに働くと考えられる。

 

 

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