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収益改善を評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

メイン先

与信額:800百万円(運転資金450百万円、残債350百万円)

業種:家具の製造卸

 

(業況)

既存の事業からの転換を果たし、残債は基本的には旧事業のもの。現在は債務負担も重く、債務超過に陥っているが、期間損益は黒字を確保。転業後に正常運転資金を450百万円貸付(短期継続融資、いわゆる短コロ)。

近年、新興国製の廉価品に押され、前期決算では前々期比3割程度の落ち込み、正常運転資金(売上債権+棚卸資産―仕入債務)も300百万円に減少。

金融機関としては、正常運転資金の書き換えに当たって、売り上げ減少に伴う減額書き換えを検討しているが、債務者は商品の質の良さのためをアピールし、クライアントからの受注が増加し、今期の売上はほぼ前々期と同程度に回復する見通しであり、正常資金について、昨年同額での書き換えを希望している。

金融機関側において、直近の試算表、今期の業績予想や資金繰り表、ホームセンターなどの販売状況の確認を行い、今期の売上回復の確度が高いものと判断し、運転資金の同額の書き換えに応じるものとした。

 

(査定)

債務超過であり、旧事業の残債の返済はあるが、返済に滞りがなく、今期予想で黒字の確度が高いため、正常先にとどまっている。

 

(検証)

海外の競争相手の質が同じで価格が安く、そのため売り上げが減少していたとすれば、今後の業績回復に疑問が生じたと思われるが、金融機関に対して、「直近の試算表、今期の業績予想や資金繰り表等」の情報開示や、「ホームセンターなどの販売状況の確認」といった、積極的な関与によって、企業の作成した事業計画書の実現可能性が高いと判断して、今期の業績予想も含めたうえで、与信判断を行っている。特にホームセンター等の販売状況の確認では、ホームセンターの販売担当者の意見もヒアリングしている。

一般に、正常運転資金を機械的に計算すれば、売上高が大幅に減少=売掛債権の大幅減少から、正常運転資金の減額は避けられないものと思われるが、業況や実態を的確に把握し、今後の見通しや、足元のキャッシュフローの実態も留意して検討が行われた。

売上高の回復とその実現可能性について、借り手の方で積極的に開示する努力が必要と言える。事業性評価を行うことで、機械的に判断しないことがわかる例である。

 

 

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