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事業性評価融資の概要

まず既存の融資は、今までの実績を見て、お金が返ってくるかどうかを判断して貸せるか貸せないかを決めていました。赤字のところには貸さない、担保や保証力のないところにも貸さない。正直AI(人工知能)でもできてしまう融資の仕方です。過去の実績をスコアに落とし込んで、いわゆるスコアリングシートの評点を重視します。

 

それに引き換え、事業性評価融資は、事業の内容や将来の成長を推測して、返済可能であるならば、融資を行います。過去の実績はパッパラパーでも、事業内容や成長可能性がある事業であるならば、従来の融資の範囲を拡大できる融資なのです。当然、過去の実績よりも将来の予測が重要になりますから、返済が困難なことも多くはなるでしょう。四半期に1回は会社を訪れるなどして、モニタリングを行うことが必要不可欠になってくるかもしれません。融資実行前の、事業計画書の特に売上予測については、その実現可能性が問われることになります。

 

ですから、今後、企業はしばらく売り上げが立たない、今は赤字の場合であっても、会社やサービスの魅力を伝え、売上予測を行って、その売り上げの実現可能性をエビデンスを付けて説明し、その説明を受けた金融機関が、それをできる限り的確に判断をして融資へつなげることが可能となります。

 

現状でも先進的な地銀や、日本政策金融公庫などの政府系金融機関も積極的にこの考え方で融資に取り組んでいます。元々金融公庫の創業融資も、事業性評価に極めて近いものであったと思います。

 

このような融資が上手くいけば、資金を受ける側の企業にとっても、資金を提供する側の金融機関にとっても、そして地域社会、ひいては日本全体にとってもウィンウィンの関係になるはずです。今までにいきわたらなかったところに資金をいきわたらせることは、社会的な閉塞感も打破することにつながるでしょう。何よりも新産業が起きる可能性が高まることで、雇用も促進され、その波が日本全体を覆い、再び成長路線に乗せることも可能です。経済の成長路線に乗せられれば、それこそが日本の少子化対策に繋がります。夫婦のどちらかが育児に専念できる環境になれば、保育所だって増やすこともないでしょう。

 

日本の事業力が奪われたのは、実は金融力の停滞に他なりません。その大きな原因を作ったのは、金融機関の在り方だったといえるでしょう。地銀が悪い、ということではなく、金融行政も、それを見守らければならない国民全体の責任です(国家運営を政治家や官僚に任せきりにしているという意味で)。

 

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