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商品実績や新規販売経路の開拓を評価してもらうことで融資に結び付ける

(概況)

メイン先

与信額:200百万円

業種:漬物店(業歴100年)

 

(業況)

地域では有名な老舗の漬物店であり、長年培った信用力と商品の評判が良いことから、10年前に駅前の百貨店への出店、また、自宅兼店舗の改築(70百万円)を行うなど、事業の拡大を図った。しかしながら、3年前に保証した同業者の倒産により、保証債務の履行のために100百万円の借入を行ったことから、大幅な債務超過に陥った。

また、好調であった百貨店販売についても、百貨店倒産により閉鎖を余儀なくされ、売上も減少し3期連続の赤字となっている。

週に一度の企業訪問を通じて、債務者の販売する商品が贈答品として好評で、百貨店での販売実績も高く、また全国各地からの問い合わせも多いことを把握していたことから、事業再生は可能であると判断し、支援を実施していく方針を固めた。

このような中で、経営相談・経営指導等において今後の販売経路について検討し、百貨店での販売による知名度を活かし、インターネットを使った通信販売を開始したところ、徐々にではあるが売上も増加してきており、今期には黒字の計上も見込まれる状況となっている。

 

(自己査定)

現状、大幅な債務超過で赤字となっているものの、技術力には定評があり、通信販売を利用した低コストでの拡販により業況改善が見込まれること、今後も引き続き支援方針であることから、要注意先としている。

 

(検証)

企業の技術等が十分な潜在能力・競争力を有し、今後の事業の継続性及び収益性の向上に大きく貢献する可能性が高いのであれば、それらを債務者区分の判断に当たっての要素として勘案することは有用である。

本事例の場合、債務者は3期連続で赤字、大幅な債務超過に陥っている状況にあることから、今後、返済能力の改善が見込めないならば、破綻懸念先に相当する可能性が高いと考えられる。

しかしながら、本事例では日頃の企業訪問や経営相談を通じて、当該企業の実態をきめ細かく把握しており、当該企業の販売基盤を勘案すれば、経費コストのかからないインターネットの活用といった方法により、これまで培ってきた信用力と商品の評判の良さを活かした新規販売ルートの開拓が行われ、今後、全国からの受注増加により業況改善が見込まれるのであれば要注意先に相当する可能性が高いと考えられる。

本事例のように金融機関が日々の渉外活動等から得られる情報を分析・活用しつつ、顧客が抱える経営上の問題に対する解決策をアドバイスする、といういわゆる問題解決型のビジネスに取組んでいる場合には、これを債務者区分の判断に当たって考慮することが有用である。

 

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