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コンセプトを変えると既存客に居心地の悪い場所に

ランチメニューを一品だけに絞って出している店があります。これにはいくつかメリットがありますが、店側のメリットとしてはオペレーションがラクであること。1品しかないので注文もそれだけ、間違いは絶対にありません。次に食材が無駄にならないこと。複数メニューですと同じ材料でごまかすわけにはいきませんので、どうしても多種の食材を用いなければなりません。大量に仕入れた方が安く済む場合もあります。忘れてはならないのは、お客さまの方のメリット。その店に行けばそれだけしかないので、メニューを選ぶストレスから解放されます。3つの中からそれを選ぼうか迷ったことはありませんか。しかも値段が異なるときに上司より高いメニューを選ぶわけにもいかず、かといって部下よりも安いメニューを選ぶわけにもいかず、といった感じ。

デメリットとしては、当然のことながら、そのメニューしかないので毎日行くと飽きます。もっともメニューが3品あっても、翌日、同じ店に行くかというとそんなこともありません。2時以降ランチを通常やっていないので、昼が遅くなってしまったときには選択肢がなく連続で同じ店を利用せざるを得ない場合には、昨日Aにしたから、今日はBでいいや、というときにはじめて複数メニューの良さはありますが、そんなことは稀といっていいでしょう。店側の考え方の問題なのですが、きっと一品しかないと店主も不安になってしまうことが多いでしょう。1品しかないとお客さまもピンことないと過ぎ去ってしまいますが、いくつかメニューがあれば、中で決めようかという気になります。

いずれにしてもランチメニューを1品にする方がよいとか、いや複数にしておいた方がよい、というのは店主の考え方次第で、どちらでもメリット・デメリットはあります。前置きは長くなりましたが、ある店でランチメニュー1品でやっていたところが、3品に増やしたことでかえってダメになったケースがあります。ただ、思うに3品に増やしたことが原因というよりも、メニュー構成にあると思いました。元々その店のコンセプトは「健康食」でした。最初の1品では、本当に体によさそうな食材だったのですが、3品に増えたらどうなったかというと、弁当(最初の1品)、魚定食、肉定食。自分にとってみれば、魚定食まではまあ許せたのですが、肉定食まで来るとありえない!健康食というコンセプトはどこへ行った!という思いです。

当然肉定食にすると、そういった人が食べに来て、新しい顧客層をつかむことができます。その結果、今まで店に来ていた人にとって見れば、なんだか違和感のある店になってしまったのですね。メニューだけでなく顧客層が。健康食をコンセプトにしていたときには、女性客が多かったのが、肉定食を始めてから、男性の来店が増えていきました。あれ男女比率が?それだけで別の店になってしまったような気がします。

コンセプトを変えるとメニューが変わるだけでなく、顧客層も変わり、その結果、新しい顧客層を引き付けるのですが、既存のお客さまから敬遠される可能性が高まります。コンセプトはドラスティックに変えない方がよいと思います。変えるのであれば徐々に変えましょう。人も一緒にいると少しの変化には気づかないもの。久しぶりに会うと雰囲気が全然変わったね、と思う時も、いつも一緒にいるとわからないというのはよくある話です。

ここで言いたいことは、メニューを広げるときにもコンセプトに枝葉をつける感じにしましょう、ということ。それはお客さまが何を望んでいるのか。上記の例では「健康食」ですから、さすがにいきなり「肉定食」はないですよね。ヘルシーな肉であればよいかもしれませんが。

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