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勝利の方程式を変えてはならない

プロ野球で、終盤リードしているときにセットアッパーからクローザーへと継投することを「勝利の方程式」と呼んでいます。勝ちが重なると登板が毎日になり、ケガをしたりして、その方程式が崩れると、今まで通りには勝てなくなります。ケガでなく、FAをして他のチームに行ってしまうこともあり、毎年、勝利の方程式を見直していかなければなりません。とはいえ、勝利の方程式を確立するのはとても大変に思えます。点数を入れられてはならないというプレッシャーの中で、投げるのは本当にすごいことです。

 

以上はプロ野球の例を用いました。勝利の方程式は簡単に変えてはなりません。この勝利の方程式というのは、ビジネスにとっては「コンセプト」になります。より厳密には繁盛しているときの「コンセプト」です。客が来ないコンセプトは勝利の方程式にはなりません。

 

概ね、成功している企業は「イノベーション」は行いますが、勝利の方程式を変更することはありません。例えば、ポルシェは外観は常に変化していますが、ずっとカエル顔のままです。おそらくそれをキツネ顔に変えたとたんに、ファンは離れてしまうでしょう。

 

フォルクスワーゲンはいかがでしょうか。自分はワーゲンといえば、カブトムシ型のビートル・タイプ1に今でも魅了されます。最近、あの古臭いカブトムシ型は中古車でしか見かけません。新しいビートルは、洗練されすぎていて、ちょっとな、と思ってしまいます。

 

ミュージカルも、昔から愛され続けているのは、キャストが変わっても話の大筋が変わらないからでしょう。お話の筋書きは知ってはいますが、名作はいつまでも名作のままです。それは期待を裏切らない、変わらないからだと思います。数多くのブロードウェイ作品も公演はほぼ満席です。何年か置きに同じミュージカルを見てしまいます。

 

上手くいったあとは、必要なところは変えて、核は絶対に変えないという頑固さもビジネスにおいては必要なのだと思います。

 

ある意味、提供側は変わらないとか、変えないということは非常に難しいものです。少しでも上手くいかなくなると、あれはどうだ、これはどうだとしきりに変えたがります。それはひとえに、コンセプトを理解していないからです。言えることはお客さまがあなたに期待していることが何だかわかっていないということでしょう。

 

あと、上手くいっているといつの間にか、ルーティンも増えます。当然、小さな創意工夫がなければお客さまに飽きられてしまいますが、どちらかといいますと、ルーティンが増えると、サービスを提供する自分が飽きてしまいます。

 

その点、アーティスト(音楽家)はすごいなと思います。売れてくると、自分の方向性が、自分のやりたいこととは別のところに行ってしまうはずです。それでもファンの期待に応えて、やり続けなければいけない。こうなったら音楽屋(金儲けのために演奏すること)にでもならなければ、とてもやっていられないでしょう。同じことをやり続けていると、飽きます。創造が本文のアーティストは飽きるはずです。彼らがロックで売れたとしても、アーティストです、たまにはポップスだってやりたくなるでしょう。でもファンはロックを期待します。そもそも音楽レーベルが自由を許しません。

 

お店をやっていても、ビジネスをやっていても、提供する方は飽きているかもしれません。しかしあなたは飽きていても、お客さまは飽きていないかもしれません。成功したら、あれこれ変えてはならないのです。成功しないわけにはいかないけれど、成功するまで、苦労して、試行錯誤しているうちが人生で一番楽しい時期かもしれませんよ。

 

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