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ペイパルマフィア、マックス・レヴチンやデビッド・サックスのその後。

ペイパルをイーベイに売却した後、マックス・レヴチンは2004年にSNS向けメディアシェアリングサービス「スライド」を創業し、2010年にグーグルに1億8200万ドルで売却しました。低コストでのデータ収集が急速に進む中で、レヴチンは自分の技術を生かし、非効率なプロセスに停滞しているデータ活用を進めようと決意し、その結果生じたのが自然妊娠をサポートするグロー(Glow)及び小口融資を行うアファーム(Affirm)です。

 

アメリカ国内での医療システムの崩壊を見て、増大するコストに目を向けるのではなく、手頃な価格で健康を維持できる方法を考えました。ダイエットをしたことのある人なら、いつもそうだよ、と思うことはダイエットを思い立ったら、「明日から始めよう、今晩はケーキを食べよう」となります。この分野は中々上手くいかないなと思ったに違いありません。そこで不妊をターゲットにしたサービスです。この分野をターゲットにしたのは出産の高齢化に伴って問題になりつつあるにもかかわらず医療保険が対象になっていないことです。本人が入力する月経周期、基礎体温、精神状態等とカレンダーを照らし合わせ、妊娠に最適なタイミングを知らせます。また、ここに医療保険も組み合わせました。アプリを使用するカップルは1か月あたり50ドルを積み立てることができ、10か月後積立金を妊娠に成功しなかったカップルに平等に分配し、不妊治療に役立ててもらおうというものです。

 

また小口融資を行うアファームでの取り組みは次の通りです。現在の住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードに使用されている信用情報はクオリティーが低いものです。そこで何万ものデータから個人の信用力を調査し、それこそSNSのプロフィールや携帯電話のデータなどありとあらゆるものを活用します。信用度が高いと判断されれば、デジタルタブでオンラインショッピングの分割払いが可能となります。販売する側はアファームが分割払いを承認するので回収リスクはありません。レヴチンの目標は「大きくてつぶせない大手金融機関を倒せるかどうか」とのこと、頼もしい限りですね。

 

さて、ペイパルの初代COOであったデビット・サックスのその後も触れておきましょう。一時映画も制作していたようですが、2007年に企業内SNSのヤマー(Yammer)を起業します。これは大企業内のコミュニケーションの円滑化と部署の垣根を超えた共同作業を効率化することを目指しています。企業側では注意事項や連絡事項、メッセージ、プロジェクトチームの情報提供、従業員側ではコメント、文章、プレゼンテーション、調査結果等を投稿します。サックスの考え方は「素晴らしい商品アイデアを思い付いただけではだめで、普及のためのアイデアも欠かせない」というもの。そして「普及に伴い利益の法則」を持っていると考えています。これは、企業の成長戦略はすぐに模倣され、追随するサービスが始まる前に貧弱なサービスから屈強なサービスへの移行が重要とします。ヤマーはサービス開始から1年もたたずに1億4,000万ドルを調達し、200人の従業員を採用。リーンスタートアップは軌道に乗るまで、軌道に乗った後もリーンのままでは虫のようにつぶされてしまうだろうと考えているようです。結局は2012年に12億ドルでソフトバンクに売却しました。

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