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速やかな対応力が市場を支配する。ペイパルもOODAループを活用?

OODAループでは常に競合に先んじる能力が大切になります。ペイパルとイーベイはどちらも先制行動を利益につなげてきた会社です。当初はイーベイの出品者や購入者は決済手段に小切手や現金を郵送していたそうです。ペイパルを使えば、それらが容易になりますが、会員になれば、出品者に10ドルの報酬を受け取る仕組みを導入しました。その結果、ペイパルの利用は急激に伸びました。これがイーベイの利用を促進することにつながったわけです。ペイパルは使い勝手が良いため、出品者や購入者のやりとりがスムーズになります。そのため、ペイパルOKの出品者は人気が高まったことでしょう。それでペイパルでの支払いOKのロゴをペイパル側で掲出できるようにして、この速やかな対応力により、イーベイにおけるペイパルの支配的地位を築くことに成功しました。

 

当初はペイパルはどちらかというとイーベイの寄生虫のような位置づけでしたが、重要なレジの役割を担うようになりました。OODAループでは、本人の意図を予測不能にしながら相手の意図を読む必要が出てきます。当時、イーベイ傘下のビルポイントがビザとの提携を決め、ペイパルは即座に顧客へのキャッシュバック付きデビットカードを発行。ビルポイントが訴訟の構えを見せたため、ペイパルはまず時間稼ぎを行って、ビザを説得。

 

ペイパルにはその後もアクシデントが続き、ユーザーアカウントの現金を引き出されたり、盗んだクレジットカードで現金を奪う組織犯罪に巻き込まれます。前者への対応は、ペイパルを利用するために、ペイパルの受取可否を選択し、取引額が1000ドルを超えると手数料を支払うことに同意する仕組みにしました。その結果、取引額が高額な法人を対象にしたサービスを導入し、収益の改善を図りました。後者への対応は、人減だと読めるがコンピューターには読めない不明瞭な文字を使った方法を考え出しました。正しく解読して入力しなければサイトにアクセスできません。現在ではこのゆがんだ文字列の解読はオンライン取引で広く使われています。

 

もう一つはIGORと呼ばれる複雑なソフトウェアシステムの開発です。多額の金銭の動きがあるときには膨大な情報が表示されるようになっているため、金銭面と安全面のリスクをチェックできます。人間だけ、コンピューターだけでは解決できない問題があり、コンピューターの処理能力と人間の分析力を融合し異常を見つけ出すようにしました。この結果大幅に不正行為を減少させることができました。

 

これらは、ペイパル・マフィアが観察⇒情勢分析⇒意思決定⇒行動というOODAループに取り組んだ成果です。詐欺行為の横行に対してライバル企業は撤退するしかなかったのですが、彼らはスピーディーに対処することで対応できました。これでイーベイはビルポイントの決済サービスを廃止し、15億ドルでイーベイを買収したのです。

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