BLOG

ちょっとした親切には返礼しようとする「さざ波効果」は連鎖する人の行動

「さざ波効果」というちょっとした実験をご紹介しましょう。アメリカの社会学者フィリップ・クンツ教授(ブリガムヤング大学)による経験で、今まであったこともみたこともない600人を無作為で選び、クリスマスカードを送ります。返信は117通あったそうです。ほとんどが「メリークリスマス」という一般的なメッセージのものだったようですが、中には「クリスマスカードを頂けたあなたをどうしても思い出せません。いずれにしましても素敵な休日をお過ごしください」と書いてくる人もいたそうです。その他は、カードの写真(新居、赤ちゃん、ペット等)に「昔を思い出しました」という、思い出の文章を長々と書いていた人もいました。さらには、長年付き合いのなかった友人だと思い込んで11人が電話をかけてきたそうです。

これら実験でわかることは、ちょっとした親切には返礼をしようとすることがあるということです。日々の生活においても、後ろの人のためにドアを開けたり、別にどこの誰だか知らないけれど、親切がどこかで連鎖行動を起こしています。

以前ニュースになりましたが、大手のドーナツチェーンのドライブスルーで、226人が後続車の支払いを一緒にすると申し出たそうです。こういう現象を「さざ波効果」と呼んでいます。互いの親切による乗数効果は時に3~5倍にもなると言われています。別の専門家は「社会的伝染」と表現しており、親切にされた人は一段と親切にしようとします。協力によって助けられた人は、自己中心的な態度にはならないと考えられています。

カリフォルニア大学サンディエゴ校のジェームズ・ファウラー教授とエール大学のニコラス・クリスタキス教授の両名による実験では面識のない4人の人物が20セントを受け取り、手元に残す金額、共通の資金として提供し、0.4倍にして全員に分配される金額を本人が決めます。報酬が最高になるのは4人全員が全額を共通として提供する場合です。しかし他の人たちの行動はわからず、自分で判断しなければなりません。金額を決めたのち、共通資金の金額を知らされます。メンバー構成を変えながら何度がゲームを繰り返すのですが、初回に一人が協力的な行動をすると、次回以降の誰かの行動に影響を与えます。小銭ではありますが、連鎖効果が生じるようです。この研究では親切な行動が大きなメリットにつながる可能性を示しました。

新しい分野の開拓は一人では不可能です。それゆえ互いに協力し、相手の役に立ち。相手の力を借りて、目標に到達する方法を取らなければなりません。また、新しい方法を見つけ出すにあたっては、既存の慣例との衝突は避けられません。そこで起業家は、小さなギフトを贈って、有意義な関係を築き、お互いに支援できる、そして支援しようと思える仲間を見つけようとするのです。

関連記事一覧