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黒ビールのギネスに見る、話題性と魅力の作り方

ギネスと言って皆さまが思い浮かべることは何だろうか。世界記録の「ギネスブック」か、あるいは黒ビールの「ギネス」だろうか。元々ギネスブックというのは、アイルランドのあるバー(黒ビールのギネスが運営していた)で酔っ払い同志が「おらが村の一番」を自慢していたところ、そのバーに自慢話のために人が集まるようになり、おそらくその流れで、ギネス醸造所の代表取締役が「世界一速く飛べる鳥は?」と議論している中で、このような本があれば評判になると思い、出版したことが始まり、と言われている。おらが村の自慢大会、この指止まれで、そのバーに集客できたことは想像に難くない。いまや様々な分野の世界一が書いてあるギネス・ワールド・レコーズは誰もが知っているし、世界一になるために、色々な、それこそ下らないことにまで挑戦する文化を創り出している。11万個の卵で作った4.4トンもある世界最大のオムレツ、股間のジッパーを30秒間に204回上げ下げした記録(間違って挟んだら痛い!)、同時に歯磨きする10,800人の学生、ここまでくるとどうでもいいことも多い。なお、人間の生命にかかわる、不眠の記録のようなものは受け付けないらしい。

さて、次は黒ビール「ギネス」の話。バー全体でギネスの売り上げが落ちていたところ、その原因は、ギネスを注いで泡が落ち着くまで時間がかかるため、それを待っていられないから、という。そこで会社で「待てばいいことがある」「1パイント完璧に注ぐのに119.53秒かかる」というキャッチフレーズで広告を展開。その結果、泡が落ち着くのを待つイライラを美徳へと変えてしまった。今やギネスを注ぐのに、時間をかけるのは当たり前になった。自分も、細かい泡が下へ沈み、まろやかな泡がクリーミーヘッドを作りゆくさまをじっくり見るのが、ギネスを飲む際の楽しみになっている。ここまでくると楽しみというよりは文化に近い。

(ギネスの泡に関する動画は次の通り)

もっとも、ギネスの泡は注ぎ方によっては自宅でもできるものの、泡だて器(サージャー)があるとなおよい。サージャーも自宅用があるが、そこまで通でない方は業務用サージャーのあるお店へGO! 

このように家でできない(あるいはコストがかかる)ことを、お店で魅せてくれれば、店へ通う価値も出てくる。普通に食べるだけならば、格安チェーン店やコンビニには絶対的にかなわない。

ギネスではないが、元々コロナ(メキシコのビール)にライムを入れる習慣は、アメリカのあるバーテンダーが遊び心で、自分がコロナにライムを入れたら、何人の客が真似するだろうかと、仲間と賭けをしたのが始まりという。その結果、アメリカの市場でコロナがハイネケンの売り上げを超してしまったらしい。

ギネスやコロナと非常に話は大きいが、あなたの飲食店も同じこと。あなたがなんらかの遊び心をお店で作り出したら、それが水面の波紋のごとく広がり、集客につながるし、文化の発信源になるかもしれない。身近に波紋のネタは転がっているもの。そしてそれは本当に些細なことだったりする。今あなたの店にある問題点も、ギネスの注ぎ方のように、お客に対する伝え方ひとつで収益に変えられるかも知れない。常に遊び心を大切にしよう。

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