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失敗を恐れない気持ちが、ときには頭の優秀さを凌駕する

カーネギーメロン大学で興味深い研究がありました。2つのグループに分けて、床に落としても割れない卵の容器の設計を競うというものですが、それぞれのグループでの違いは、あるグループには一つの卵しか与えず、他方のグループには複数の卵を与えました。前者のグループは設計や製作、テストに使える卵が一つしかないことになり、失敗が許されない状況です。後者は設計のおいても、5分、10分、15分、25分で一度のテストを許可します。

当然のことながら、前者は失敗できないので、設計段階で1種類の容器を製作し、完璧なものにしようとします。後者は何度か失敗できるので、素材の組み合わせ、デザイン、仕組み、アイデアを変えて、いくつも容器を作りました。何度も落下テストができるので結果も確認できます。製作段階になっても、設計段階でわかったことを生かしながらテストを行なえます。しかも落下する高さを徐々に上げていき、卵が割れる高さを確認し、都度改善していきます。

その結果、卵が割れない平均的な高さは、複数の卵のグループが185センチ、卵が一つだけのグループが100センチとなり、それだけ差が出ました。材料と時間が同じでも、失敗から学習して修正できるグループの方が、より高い成果を導き出すことができています。試作品しか作れない、失敗の許されないグループは、自分たちの容器の性能を予想し、確実なものしか作れなかったのです。小さな試行錯誤による賢い失敗は、成功の要因となる好例と言えるでしょう。

また、別の実験にマシュマロチャレンジというものがあります。4人一組のチームで18分の制限内にできるだけ高い自立式のタワーを作ります。その時の材料はスパゲッティ20本、テープ1メートル、そしてマシュマロとひも、であり、タワーの頂上にマシュマロを乗せるという単純なゲームです。5年にわたる実験で、ビジネススクールの学生やら、電気通信エンジニア、東京大学の大学院生、上場企業のマネージャーが次々と挑戦しました。

その結果、トップだったのはなんと、幼稚園児だったという話です。高学歴の連中は60センチの高さだったそうですが、幼稚園児はなんと65センチ。なぜ、幼稚園児が成功したかというと、失敗を恐れないからと結論付けています。高学歴はみんなで話し合ったり、完璧な戦略を考えたりしますが、幼稚園児はそんなことせずに、ひたすら高くすることを考えて作業していきました。やってみて、ダメだったら、すぐにあきらめて別の方法をやっていく。そのたびに手ごたえを得て、再度挑戦します。ある意味、時間がなければ、早い段階での失敗がモノを言います。そこから反省して、いかに成功につなげることができるか、幼稚園児たちは失敗を恐れず、失敗から学ぼうとしました。

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