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高齢化社会に、いかに老人を顧客として迎え入れるか

総務省の調べによると、2030年に全人口は1億1,913万人となり、うち75歳以上は2,288万人(19.2%)、2045年になると全人口は1億0,642万人となり、75歳以上は2,277万人(21.3%)、2060年になると全人口は1億人を割り込んでおり、9,284万人、75歳以上は2,387万人(25.7%)となる。75歳以上を老人とすれば、2060年には4人に1人が老人になる。人それぞれ年齢は異なるが、加齢によって食べる力、つまり噛む力や飲み込む力は徐々に低下していく(摂食・嚥下機能の低下)。この正月も高齢者が餅を詰まらせて何名か命を落としている。

私事で恐縮だが、先日、咬合性外傷(かみ合わせが悪いことで生じる歯の痛み)が原因で一時期、食べることができなくなった。そのときに思ったのが、食べ物を咬むことや飲み込むことはどんなに食の楽しみなのか、ということを痛感した。摂食・嚥下能力の低下で「食」の楽しみは大きく失われる。ただ、一番の問題は、これら機能の低下で栄養補給が低下する。低栄養の状況に陥れば、認知機能、気力、免疫力や体力(病気にかかりやすくなる)の低下、筋力の低下、骨量の減少(骨折の危険が増す)等が生じる。

せめて咬む楽しみが失われても、低栄養の状況は避けなければいけない。しかし流動食はどうも味気ない。せめて「見た目は同じだが、柔らかくて食べやすい」料理があれば、それは老人にとって望ましいものとなる。

依然記した3Dプリンティングでは、「見た目は同じだが、柔らかくて食べやすい」料理を作ることが可能となるが、現在も「凍結含浸調理法」によって、「見た目はそのままで、歯ぐきや舌でつぶせる柔らかい介護食」を作ることができる。

凍結含浸調理法は広島県の食品工業技術センターが開発したものだが、圧力を利用して食材中に柔らかくする酵素を入れ込む方法とのこと(難しい言葉でいえば「食材を凍結して組織細胞間の隙間を広げた後に解凍し、減圧装置の中で食材内部の空気と外部の物質を置換させる技術」)、この技術によって固いタケノコをババロアのような柔らかさで、見た目も味もそのままに調理することができる。もっとも食感が異なるので味もそっくりそのままというのは難しいだろう。既に野菜、肉、魚介類でも、この技術による介護食が作られている。

凍結含浸調理法の詳細についてはクリスタ―コーポレーション(広島県福山市)のホームページをご覧いただきたい。
http://www.christar.jp/

さて、このような凍結含浸調理法を用いることで、高齢者を顧客として向かい入れることができるようになり、差別化が図れる。この技術は老人を対象とした介護食だけでなく、一般人に対して新食感の料理を提供することもできる。ふにゃふにゃした料理だけでは食べた気がしないだろうが、コース料理の一品として、新食感の料理ができてきたら、それは非常に魅力的だ。

ソフトクリームのカップに、ふにゃふにゃしたライスがつまり、上にふにゅふにゅした牛肉。そこに七味唐辛子と、粉末化した紅しょうがをかけて、食べ歩く。牛丼ならぬ牛カップ。ウケるかも?

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